寂れた温泉街が復活 「スノーモンキー」を起点にインバウンド対応

温泉につかるスノーモンキーを目当てに、外国人観光客がつめかける長野県山ノ内町で、インバウンド対応の観光まちづくりが進む。ファンドの有効活用、不動産の管理手法、次代の経営者を地域で育てる試みなどの、独創的なアイデアに注目が集まる。

長野県山ノ内町は、温泉につかるスノーモンキー目当てに多くの外国人観光客が訪れる。志賀高原のスキーリゾートも町内に存在する

長野県山ノ内町の湯田中温泉で、外国人観光客をターゲットとした観光まちづくりが進んでいる。人通りの少なくシャッターが目立ったメインストリートに、外国人向けのホステルや、観光情報を発信するカフェ、地元食材を楽しめるビアバー&レストランなどが次々とオープン。街歩きを楽しむ観光客や地元住民も増え、確実に地域が変わり始めている。

この取り組みを主導するのが、まちづくり会社であるWAKUWAKUやまのうちだ。同社は八十二銀行など県内の全金融機関と地域経済活性化支援機構(REVIC)によって設立された「ALL信州観光活性化ファンド」の第一号出資案件として、2015年8月から事業を本格化。短時間で目覚ましい成果をあげ、観光地経営のモデルとして政府からも注目されている。

外国人の宿泊・滞在環境整備

山ノ内町は、スキーリゾートとして有名な志賀高原や、湯田中温泉を含む9つの温泉地から構成される湯田中渋温泉郷を持つ、県内有数の観光地だ。しかし、町の観光入込客数はスキーブームだった1990年(986万人)をピークに、2013年には469万人まで減少している。

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