ホワイトカラーの仕事がなくなる? 人工知能の「10年後」とは

ロボットに不可欠な人工知能(AI)。そこで今、大きな地殻変動が起きている。ディープラーニングという手法が登場し、AIの50年来の壁が破られようとしている。これから10-20年で、AIはビジネスや社会を激変させるはずだ。

50年来の壁を破る

「人の脳をコンピューター上で再現する」という人工知能(AI)への取り組みは1950年代から始まった。脳の働きは電気信号と化学変化で説明できるため、その情報処理をプログラム化することは不可能ではないはずだ。しかし今まで、それが実現することはなかった。

「ディープラーニングという新しいアプローチは、AIにおける50年来のブレークスルーと言えます。社会とビジネスに大きなインパクトを与えることは間違いありません」と、東京大学工学研究科の松尾豊准教授は指摘する。

松尾氏によれば、今まで3度のAIブームがあった。1度目は1950-60年代で、「推論・探索」というアプローチ。解きたい問題を探索木のような形で正確に記述することで、コンピューターに処理させる仕組みで、プロに勝てる将棋プログラムもこの応用だ。

1980年代の第2次AIブームは「知識を入れると賢くなる」という手法。有名なものが対話システムのELIZAで、SiriやIBMのWatsonはこの発展と言える。つまり対話のルール(知識)を設定して「会話が成り立っている」と人に思わせる仕組みだ。

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