ゲーム会社が開発した異色の教科書

授業時間でなくても開きたくなる――。そんな夢の教科書がバンダイナムコムゲームスの企画・制作によって誕生した。そこにはプレイヤーを常に飽きさせない、ゲーム制作で培った暗黙知やノウハウが詰まっている。

ゲームメソッドで開発した教科書。学習内容のレベルアップがわかるツリーハウスなど、さまざまな仕掛けを取り入れた

全国2500 校が採用
子どもを夢中にするノウハウとは

家庭用ゲーム、業務用ゲーム、モバイルコンテンツなどあらゆるプラットフォームにおいてゲームを手がけるバンダイナムコゲームスが異色の挑戦に試みた。ゲーム業界初の教科書作り。同社が教科書出版の老舗・学校図書に共同開発を持ちかけ、小学生向け教科書の制作が実現。「ゲーム×教育」という異色のタッグは、異例のヒット作を生み出すことになる。

採用が始まった2011年度からの3年間、累計発行数は算数だけで480万冊。都内の有名私立校を筆頭に、全国の小学校2500校が採択している。ゲームのように夢中になる学習システム、親しみやすいキャラクター設定、CG素材を組み合わせた鮮やかなビジュアル――。ゲーム開発で培った数々の知見が高い評価を受け、教育現場から敬遠されてきたゲーム会社が学校教育のあり方に一石を投じた。

立役者は同社で新規事業を担う一木裕佳氏。ゲームクリエイターが持つ技術やノウハウを「ゲームメソッド」と名付け、他分野に活かすべく、2011年にゲームメソッドコンサルティング事業を立ち上げた。ゲームと程遠い教育の領域に踏み込んだのは、一木氏がゲームの未知なる可能性を確信しているからだ。

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