2年間の営業でメトロに採用

現在、東京の地下鉄の全駅に掲出されている「のりかえ便利マップ」。このマップは2児の母親のアイデアから生まれ、粘り強い売り込みによって世に広まった。

福井泰代 ナビット代表取締役。幼少時から発明が趣味だったことが、のりかえ便利マップのアイデアに結び付いた

「のりかえ便利マップ」をご存知だろうか。名前を知らなくても、東京で地下鉄に乗る人ならほとんどの人が目にしたことがあるだろう。現在、東京の地下鉄の全駅に掲出されている「何両目に乗れば階段やエスカレーターに近いかひとめでわかるポスター」である。こののりかえ便利マップを考案したのが、ナビットの代表取締役を務める福井泰代さんだ。

全256駅を5ヵ月で調査
書籍化を目論むも難航

福井さんは専業主婦をしていた1995年、子どもをベビーカーに乗せて買い物に行った時に、地下鉄でエレベーターやエスカレーターの位置がすぐにわからず困った経験から、のりかえ便利マップのアイデアを思いついた。そして、すぐに商品化に向けて動き始めた。このフットワークの軽さは、発明を趣味にしていたことが関係している。

「子どもが小さい時、おしゃぶりが口から落ちないように空気穴に紐を通して耳にかけていたら、知り合いに『特許取ったら?』と言われたことがあるんです。それがきっかけで特許という言葉を知り、発明に興味を持ったので発明学会に入って通信教育で発明や企画書の書き方、売り込みの方法などについて学びました。それから子ども向けのグッズを考えて、試作品を作って企業に売り込みをしていたんです。のりかえ便利マップは、発明を始めてから5つめのアイデアでした」。

この時既に、福井さんは「アイデアを企画書にして、企業に売り込む」という最初のハードルを越える方法を手にしていたのだ。

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