2021年4月号
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M&Aによる事業革新

解析技術を生かした円滑なM&A 新しい企業評価をデータで可能に

中村 達生(VALUENEX 代表取締役社長)

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大量のテキストデータ解析をもとに研究・新事業開発などをコンサルティングするVALUENEX。近年は、そのデータや技術をM&Aに生かす取り組みにも注力している。精緻に可視化した情報を経営に役立てる手法について、代表取締役社長CEOの中村氏に聞いた。

中村 達生(VALUENEX 代表取締役社長執行役員CEO)

VALUENEXは、特許や論文、新聞、SNS、アンケートなどの大量のテキストデータから、類似性を精緻に可視化した俯瞰図を作成する基盤技術を保有している。この技術をもとに、市場や技術動向、競合企業の傾向や特徴を分析し、マーケティングや新規事業の創出を支援するソリューションビジネスを展開。2018年10月には東証マザーズに上場している。

俯瞰図で分かる企業の特性
手薄な個所や有望投資分野も可視化

同社代表取締役CEOの中村達生氏が解析事例の1つとして紹介するのが、キヤノンの研究開発戦略だ(図参照)。過去20年に同社が出願した特許のテキストデータをもとに俯瞰図を作成すると、類似したキーワードの集積度合いで、研究開発の注力分野がわかる。

特許文献をもとに作成した俯瞰図。キヤノン(青の点)と東芝メディカルシステムズ(赤の点)の文献を分析すると、技術分野の重複が少ないこと、類似のR&Dを実施しておりシナジーがある分野(緑の点)が多いことも分かる (出典:VALUENEX)

「キヤノンはカメラ、複合機、半導体などの主力事業に事業資源をバランスよく投入しており、20年の間、研究開発の中心点を示す『重心』もほとんど動いていないことがわかります。近年はスマホの普及やペーパレス化によって主力事業に陰りが見え、そのすき間を埋めるM&Aの必要性が生じていました」。

キヤノンは、2016年に東芝メディカルシステムズを買収し、医療分野への参入やR&Dポートフォリオの変革に挑戦している。このような企業の動きなども、俯瞰図を使えばビジュアルで理解できる。

また、米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラ社と自動車保険会社の技術領域を比較すると、全く異なるビジネスを手掛けているにもかかわらず、両社が重なる領域があるのがわかるという。

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