土木の魅力を広報で伝える 土木広報大賞2018表彰式

個性ある作品の応募者で活況を呈した

2018年11月12日、土木広報大賞2018表彰式が、公益社団法人土木学会 講堂(東京都新宿区四谷)で開かれ、最優秀賞・優秀賞・準優秀賞と審査員賞の表彰が行われた。

「土木広報大賞」は、全国で展開されている土木に関する広報活動の中から、他の団体の模範となったり、他地域への展開が期待されるものを表彰している。第1回となる今回は、最優秀賞にフォーラム・シビル・コスモス(FCC、大阪府大阪市)の「どぼくカフェ」、また優秀賞2件、準優秀賞5件、審査員賞8件がそれぞれ選ばれた。

審査委員長を務めた田中里沙(事業構想大学院大学 学長)は式冒頭の挨拶で、「土木業界の魅力を『伝える』から一歩進んで、『伝わる』際に、広報の果たす役割は大きい」とし「土木は社会のインフラ。現代社会を支える不可欠な基盤であると同時に、地域活性化にも資する可能性を有している」と、土木工学の発展に期待を寄せた。

各賞表彰ののち、受賞者を代表して複数のコメントが述べられた。最優秀賞を受賞したFCCの田中耕司副代表幹事(大阪工業大学工学部特任教授)は「シビル(市民)との対話の中から、土木工学に縛られない『新しいどぼく』を探っていきたい」と述べた。また優秀賞を受賞した「CON!CON!富士山の体積をはかる『アイデア』大募集!」では、「計測の楽しさ」を感じさせ、次世代に土木業界への関心を高める契機となったことが評価された。一般社団法人 静岡県建設コンサルタント協会(静岡県静岡市)から、小中高各校の理科教育で取り上げられ、大人の思いつかない柔軟な発想が挙がった例が紹介された。また、「ワクワク土木土木(どきどき) デミーとマツの驚き土木体験イベント」では、「土木の妖怪」デミー役を務める松永昭吾氏(共同技術コンサルタント株式会社 福岡支店長)がコンビでの活動を紹介。「噂の土木応援チーム デミーとマツ」(福岡県福岡市)として、未来を担う「ちびっ子」に土木の魅力を伝えるイベントの企画・実施が評価された。

閉会の挨拶には土木学会理事の佐々木葉氏(早稲田大学創造理工学部教授)が登壇。今後、学会として更に魅力的な広報作品を募集・顕彰できるよう、本広報大賞自体の広報活動にも注力する旨が表明された。

講評する審査委員長の田中里沙(事業構想大学院大学 学長)、学会理事の佐々木葉氏(早稲田大学創造理工学部教授)