2019年1月号
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パイオニアの突破力

ミシュランで10年連続「星」獲得 高級フレンチの新境地をひらく

岸本 直人(ランベリー シェフ)

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平成という時代をシェフとして駆け抜け、そしてこの10年、ミシュランで星を獲り続ける男がいる。フランス料理レストラン『ランベリー』のシェフ、岸本直人だ。30年続いた平成は、バブルから一転、不景気の連鎖が続いたばかりか、大きな災害にも見舞われた。そんな時代を外食産業の一角として生き抜いた岸本の術、新時代を迎えるにあたり誓う信条とは? 文・油井なおみ

 

岸本 直人(フランス料理レストラン『ランベリー』シェフ)

食いしん坊で料理好きの少年が
料理人を目指すまで

岸本直人が最初に料理を作ったのは、小学4年生のこと。

「両親が共働きだったので、たまに食事代にと500円もらう日があったんです。“店屋物”ということだったんですが、節約してお小遣いの足しにしたくて(笑)。半加工の餃子や麻婆豆腐の素を買って調理するようになったんです。そのうち、どうすればお店みたいにパリッと焼けるんだろう、とろみはどんな具合かとか、試行錯誤するのが楽しくなって。母が料理上手で、家族で外食を楽しむのも好きな家だったので、食いしん坊でもあったんです」

“人様に迷惑をかけなければ、好きなことをのびのびやれ”という両親の方針のもと、すくすく育った岸本少年。時代もあり、やんちゃな中学生になるが、どんなに遊びが楽しくても、当時テレビで放送していた『料理天国』と『天皇の料理番』だけは欠かさず観に帰ったという。“食いしん坊”は、料理人を志す少年に成長していったのだ。

“料理の鉄人”坂井シェフと
本物のフレンチとの出会い

高校を卒業した岸本は夢への第一歩として、レストラン「スエヒロ」に入社。そこで大手ホテル出身のチーフに認められ、社内で難関であるフランス料理部門に異動。研鑽を積んだ。

次なるステップは、気になっていた近所の洋食店。そこでの先輩に導かれ、『ラ・ロシェル』の坂井宏行氏と出会う。坂井氏といえば、人気テレビ番組『料理の鉄人』でも活躍した“ムッシュ”。当時はまだ“鉄人”ではないが、すでに料理界ではスター的存在だった。

「面接を受けに行ったら、コース料理を食べさせてくれて。重さはないのに舌に残るおいしさで、見た目も芸術的。今でもメニューのすべてを思い出せるくらい感動しました」

その面接の日を境に、岸本のシェフ人生は一気に加速する。

「明後日から那須高原に行けるかと突然聞かれました。下らないことを言ったらチャンスを逃すと思い、とっさに“行けます!”と言ったんです」

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