米VBが語る ポスト・キュレーション時代、メディアの行方

ソーシャルメディアが普及し、個人の発信力が高まる今、情報を一方的に発信するだけのメディアは存在感を失いつつある。そのような中、アメリカの消費者は、信頼性が高く、インタラクティブなメディアを求めており、更には、動画や音声の利用、多様性への配慮の重要性が高まっている。

文・中屋敷 量貴 SiliconValleyWorkers 編集長

 

高橋 クロエ(Cosme Hunt, Inc. CEO)

北米の女性向けに日本の化粧品の情報を発信しているキュレーションプラットフォームと、日本化粧品のサブスクリプションサービスを展開している「Cosme Hunt」。代表の高橋クロエ氏は、インターネット広告業界を経験した後、プログラミング教育を始めとして、実践的コンピュータサイエンス教育を提供するサンフランシスコ発のプロダクトプログラミングスクールに日本人で初めて採択された経験の持ち主だ。

「Cosume Hunt」は、海外のユーザーから「日本の化粧品に興味があるのにどうやって使ったらいいかわからない」とか「人気の商品がわかりにくい」という悩みについて、ただ単にサイトに商品を並べるのではなく、日本の美容をよく知っている専門家が日本の化粧品の良さや使い方を英語で発信していくことに特に力を入れている。

「Cosume Hunt」では、日本の美容の専門家が、日本の化粧品の良さや使い方などを英語で発信している

メディアはインタラクティブへ

高橋氏は、日本以上に旧来型メディアが凋落しているアメリカで情報発信を行う中、アメリカではソーシャルメディアを介した情報発信や、よりインタラクティブな情報交換が今後のトレンドになっていると語る。

「アメリカでは、ミレニアム世代を中心に、一方通行の情報よりもコメントやシェア、タグ付けなどを介したインタラクティブに関与できるメディアが好まれています。そのため、ソーシャルメディアを活用したメディアモデルが今後より加速していくと思われます」

近年、日本では「@コスメ」などのユーザー同士が自由に意見交換・評価し合える消費者生成メディアや、「Kurashiru」のように自社サイトだけでなくFacebookなどのソーシャルメディアにコンテンツを発信する分散型メディアが台頭して来ている。これらは料理・コスメ・ニュースといった日常生活に関わる領域のものが多く、どちらも情報の質や正確性、消費者へのリーチ力という観点から注目を集めている。

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