高級スーパー紀ノ伊國屋、JR東日本傘下で「駅ナカ」戦略加速

高質食品スーパーの代表的ブランド紀ノ國屋。日本初のセルフサービスのスーパーマーケットとしても知られる。2010年からはJR東日本のグループ企業となり、両者の強みを生かした経営を進めている。

堤口 貴子(紀ノ國屋 代表取締役社長)

紀ノ國屋は、1910年青山で果物商としてスタートし、戦後は高質食品スーパーとして知られる。創業117年を迎える青山の中でも最も歴史のある老舗。旗艦店である紀ノ國屋インターナショナル(青山店)は、2008年に再開発によって複合商業施設「Ao」となり、2010年にJR東日本に経営がバトンタッチされた。堤口貴子社長は、JR東日本で長年「駅ナカ」事業を担当し、今年、紀ノ國屋初の女性社長に就任した。

「紀ノ國屋は、改新と伝統はイコールではないかと思うほど、革新の歴史でした。1953年に日本ではじめて、お客様が自ら商品を選び、レジで精算するセルフサービスのスーパーマーケットを青山に開店したのが紀ノ國屋です。お店の中でパンを焼いて焼きたてのパンを販売するインストアベーカリー、チーズをフランスから空輸、エコバッグを導入したりと、新しいことに貪欲に取り組んできました」

「企業理念は、『食を豊かに、人生を豊かに』です。以前からあったものですが、2010年に改めて企業理念として位置付けました。当社は、食を通して人生を豊かにすることを提案してきました。安全、安心でお客様の期待を裏切らないということを、愚直に守り通してきました」

堤口社長が就任してからは、新規店舗の開業が相次ぐ。

「従来は1年に1店舗ほど新規開店していました。今年度は8店舗が新規開店します。3年間で16店舗ほど開店する計画で、出店戦略による成長戦略をとっています。もちろん、私が社長に就任する前から店舗開発や人材育成などの準備は進めていましたので、それらの成果が出始めているということではあります。しかし開店こそ店舗のスタート地点ですので、これからの取り組みこそが重要です」

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