年間3000件の技術相談に対応 「紙産業」を支える公設試験所
製紙産業の集積地、愛媛県四国中央市。愛媛県産業技術研究所・紙産業技術センターには、市内の大企業から中小企業まで、年間3000件もの技術相談が寄せられる。地域産業にイノベーションを起こし続ける、公設試験場の取り組みを探った。
愛媛県の紙産業クラスター
年間3000件の技術相談
愛媛県産業技術研究所は、県の公設試験場で、研究部門は1部と4センターから組織されている。技術開発部(松山市)、紙産業技術センター(四国中央市)、繊維産業技術センター(今治市)、食品産業技術センター(松山市)、窯業技術センター(砥部町)からなり、県内での産業集積地にセンターが設置されている。
そのうち、紙産業技術センターは、戦前の1941年に愛媛県製紙試験場として設立された。全国でも紙産業に特化した公設試験場は4か所しかない。
現在、愛媛県内での紙産業は、そのほとんどが四国中央市に集積している。2014年度の愛媛県の出荷額は5,346億円で、そのうち98.5%の5,284億円を四国中央市が占めている。四国中央市は、平成の大合併で川之江市、伊予三島市、土居町などが合併して生まれた市である。
市内には様々な関連産業が集積している。四国中央市の紙産業は工業統計では234事業所10,246人(2014年)であるが、関連産業を含めると、2倍以上の518社にのぼる。市内の就業者数約4.3万人のうち、約半数の2万人が紙産業に従事していると推測されている。また製造品出荷額ベースでは約8割が紙産業であり、製造業の大半が紙産業となっている。
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