2017年7月号
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MPDの本棚

「意味のイノベーション」で、商品の新しい価値を提案

安西 洋之(モバイルクルーズ代表取締役)、八重樫 文(立命館大学経営学部教授、デザイン科学研究センター長)

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――意味のイノベーションと技術のイノベーションの違いは何ですか。

八重樫 技術はHow(どうやって?)を、意味はWhy(なぜ?)を問います。技術での差別化が難しくなった今、一部の企業は意味を駆使する戦略へ移行しています。

――意味と「コンテクスト」「ストーリー」との違いは何でしょうか。

安西 コンテクストは、主体的に作るというよりも既にあるものです。ストーリーは意図的に作られるものです。メタファー(比喩表現)は意味を効果的に伝える一方、受け手の属するコンテクスト次第では誤解を招きます。適切な理解は重要ですね。

――デザイン思考の議論も盛んです。

八重樫 本書はロベルト・ベルガンティ(ミラノ工科大学教授)の著作群にヒントを得ています。スタンフォード発のデザイン思考が「ユーザー中心の考え方」であるのに対し、ベルガンティの発想は、自分で新しい意味を考えビジョンを明確にして、身近な人々にそれを浸透させ、ユーザーにたどり着くという「自分中心の考え方」です。

安西 ベルガンティは「皆にとって共通の喜びとは何か?」を問いかけます。信頼のおける他者との批判的議論の範囲を拡大させつつ、ビジョンを強固に発展させていきます。

――どう人に伝えていくのですか。

安西 EUはデザイン思考・意味のイノベーション・ユーザー中心デザインの三つをキーワードに立てています。日本は複数の観点を併存させて論じることが少ないですね。「異分野との対話から考える」と言う割に、手法自体を混ぜ合わせる議論は興ってきません。

八重樫 大学のイノベーター育成では、単一の方法を身に付けたがる傾向が目立ちます。日本ではアメリカ的デザイン思考の影響力が支配的ですが、本来は複数のプロトコルを使いこなせる人材が必要だと思います。

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