反転戦略で「障害を価値に」 ユニバーサルデザインの市場開拓

2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、「パラリンピック」に力を入れることを大会組織委員会も強調している。また、4年後の開催に向けて、ハード・ソフトともにインフラ整備が進んでいるが、老若男女、また障害者、外国人にも適したユニバーサルデザインに基づいた設計が求められる。

バリアバリュー

―障害を価値に変える

  1. 垣内俊哉(著)
  2. 本体1,200円+税
  3. 新潮社

ビジネスにも生きる目線の変え方

バリアバリュー、つまり「障害を価値に変える」という思考法を提案するのは、本書の著者であり、ミライロ代表取締役社長である垣内俊哉氏だ。「バリア」を、「障害」ではなく、もっと広く捉え、「短所」「苦手なこと」と考えている。そして、バリアフリー(障害を取り除く)ではなく、バリアバリューという考え方でビジネスの価値を考察する。

垣内氏は、小学4年生から車いすに頼る生活になったが、他の人とは違う視点で物事を見ていることに気づいた。

「車いすに乗っている時、私の目線の高さは約106cmです。この高さだからこそ、見えること、気づけることがあります。普段マイナスに捉えていることや、一見して劣勢の状況であっても、少し視点を変えて見れば、ビジネスで成功する反転戦略が見えることもあります」

垣内氏は、大学生時代にビジネスコンテストで受賞し、在学中にミライロを設立した。ユニバーサルデザインという広大なブルーオーシャンで設立6年目にして、年商2億円の企業に成長している。その市場規模は、2001年の時点で2兆2億円、2025年には16兆円に成長すると試算されている。

「現在の社会で暮らす高齢者は約3300万人。障害者は約800万人。ベビーカーに乗る乳幼児は約315万人。合わせて4000万人以上、つまり日本の総人口の3人に1人が移動に不安を感じています。このような現状があるから、私のような車いすに乗っている人や、大多数の人に沿って作られた社会の環境に不自由を感じている少数派の人の知見が求められます」

「バリアバリュー」の視点は、誰もが過ごしやすく快適な環境を実現する一つの切り口となるだろう。

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