Alibaba創業者、ジャック・マー「あきらめることが、最大の失敗」

「たくさんの失敗をしてきたが、あきらめるという最大の失敗はしなかった」そう自身の半生を振り返るAlibabaの創業者、ジャック・マーは、直感で信じたことをただひたすらにやり遂げ、世界的な企業を築いてきた。

Alibabaの創業者、ジャック・マーは「自分が優秀だと思ったことは、一度もない」と語る Photo by World Economic Forum

「生まれながらにして卓越したリーダーシップとカリスマ性を備えた、稀有の人材だと話をして5分でわかった」

ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義は、ジャック・マー(Jack Ma)に初めて会ったときの印象をこう振り返っている。マーの持つ天性の“人を動かす力”に魅了された孫は、その場で多額の融資を自ら申し出たという。

孫の読みは当たり、マーはその後、1999年に香港のアパートの一室でスタートさせたAlibabaを世界最大級のeコマース企業へと成長させ、2014年にはNASDAQ(NY証券取引所)に過去最高額となる250億ドルでのIPOを果たしている。いまや世界屈指のビリオネラーとして、そして世界で最も影響力のあるITパーソンの一人として、マーの名声は地球規模で拡大中だ。

失敗の連続のキャリア

現在の華やかな成功とは対照的に、マーの過去のキャリアは失敗の連続だったことはよく知られている。

「地元(中国杭州市)の大学入試には3度落ち、就職活動では30社以上断られた。数学が苦手で、会社の数字を見るのは今でもつらい。人生で自分が優秀だと思ったことは、一度もない」

マーはよくインタビューやスピーチの場で、決して優秀とは言えなかった半生を冗談交じりでこのように語る。だが彼の口からあふれる英語は、おそろしく流暢で明瞭だ。ノンネイティブが到達する最高レベルとも言える驚異的な英語力を、マーは中国国内だけで身につけている。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り70%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。