Netflix、「自由と責任」の凄み 世界No1を生んだ企業文化
動画のストリーミング配信で、世界トップ企業となったNetflix。「我々は、チームであって家族ではない」。リード・ヘイスティングスCEOは、強烈な能力至上主義とも言える企業文化を築き、同社の成長を牽引する。
全世界に6500万人を超える視聴者を抱え、2015年は日本への進出も果たした動画ストリーミングサービスのトップ企業Netflix(ネットフリックス)。
現在(2015年12月時点)の企業価値は、500億ドル(約6兆円)を軽く超えているが、その勢いが弱まる気配はまったくない。1997年の創業以来、加速度的に成長を続けるNetflixのイノベーションの源泉は、どこにあるのだろうか。
従業員に求める「自由と責任」
「Netflixは、エクセレンスを常に求め続ける集団である。したがって、エクセレンスを実現できない従業員は、Netflixに必要ない」
これは共同創業者であり現Netflix CEOであるリード・ヘイスティングスが、常に公言しているフレーズだ。DVDのレンタル事業から身を起こし、世界No.1のストリーミング配信事業者へと成長を遂げたのには、いくつもの理由がある。その中でも「エクセレンスな業績を成し遂げるのは、エクセレンスな従業員だ」というヘイスティングスの能力至上主義とも受け取れる持論は、強烈なインパクトを与える。
ヘイスティングスと同様に、現代のトップCEOの一人として名前を聞くことの多いイーロン・マスク(テスラCEO)が、「従業員に求めるものは、能力よりも人格」と発言するのに比べると、きわめて対称的に思える。
ヘイスティングス、そしてNetflixは「自由と責任」という言葉を同社の文化の源泉として掲げている。それはつまり、自由と責任を同時に果たせるエクセレンスな従業員が必要だということだ。
「我々が他の企業と異なるのは、並のパフォーマンスしか出せない従業員に対しては、より多くの退職金を払う用意がある(だから出て行ってくれ)としていることだ。我々はチームであって家族ではない」
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