2015年12月号
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World Project Design

イーロン・マスクは、なぜ宇宙を目指すのか 「SpaceX」の挑戦

五味 明子(ITジャーナリスト)

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宇宙開発を「re-usable(再利用可能)」という思想で再設計したイーロン・マスク。それは、宇宙開発のコストを下げ、多くの人に宇宙への門戸を開く。そして目指すのは、火星への有人飛行の実現だ。

SpaceXのCEO、イーロン・マスク。同社以外にも、電気自動車のテスラモーターズ、太陽光発電のソーラーシティなど、数々の企業の経営に関わる Photo by Heisenberg Media

2015年10月にNASAがアナウンスした「火星の表面には、液体の水が流れている可能性がある。NASAはその証拠をつかんだ」というニュースは、世界中の人々に大きな衝撃を与えた。

近年、火星に関する新たな発見が増えるに伴い、一度は忘れ去られたかのように思われた「火星への有人飛行」への期待が再び高まっている。そして、「NASAよりも早くにこの歴史的プロジェクトを実現させるのでは」と予想されているのが、イーロン・マスク(Elon Musk)率いる宇宙開発事業会社のSpaceXだ。

ロケットの打ち上げに失敗

実はSpaceXはこの6月、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送するロケット「Falcon 9」の打ち上げに失敗している。

ケープ・カナベラル基地から離陸してわずか2分後に空中で大爆発を起こし、無数の破片と化した「Falcon 9」の無残な姿は、有人宇宙飛行への確実な足がかりをつかもうとしていたSpaceXにとって、大きな打撃となったことは間違いない。この爆発を経験するまで、「Falcon 9」は8回連続で打ち上げに成功していた。

しかし、宇宙事業における一度の失敗は、それまでの成功をすべて打ち消すほどの破壊力を持つ。6月の大失敗はSpaceXだけでなく、米国の宇宙開発事業全体に暗い影を投げかけてしまった。

「Falcon 9」に搭載されていた物資補給船の「Dragon」は爆発を逃れ、地上管制塔にデータを送信し続けていたことが判明しているが、残念ながらパラシュートは開くことなく、そのまま大西洋の海底深くに沈んでしまったとされている。

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