スマートウォッチVELDT 技術と人の「距離」をデザインする

ネットワークと繋がることが当たり前になった現代、ウェアラブル機器は便利さの半面、煩わしさを感じることもある。技術と人の「ちょうどいい距離」はどこにあるのか。

VELDT SERENDIPITYは「技術や情報との付き合い方をリバランスする」という発想から生まれた

Apple Watchの発売などで盛り上がりを見せるスマートウォッチ市場。そんな中、「画面を見ない生活」をテーマにした全く新しいスマートウォッチを発売し、注目を集めているのがVELDT(以下ヴェルト)だ。

ディスプレイを全面採用したスマートウォッチが多いなかで、同社が2014年12月に発売した「VELDT SERENDIPITY」は、外からは通常のアナログ腕時計にしか見えない。

文字盤には、短いテキストを表示できる液晶画面と、円形に24個のLEDが埋め込まれているだけだ。スマートフォンと連動してさまざまな機能が利用できるものの、情報の伝え方は極めてシンプル。例えば天気予報はLED色が青の時間帯ならば雨、オレンジならば晴れといった仕組みで伝える。スマートフォンのカレンダーと連動したスケジュール機能は、次の予定の時間帯をLED点灯と短いテキストで表示する。

必要な情報だけをさりげなく伝え、ユーザーは画面を注視する必要もない。多機能性を競うスマートウォッチ市場で異色を放ち、価格も7万8000円からと安くはないが、30歳代以上のITリテラシーの高いユーザーや、高級時計ユーザーのセカンドウォッチニーズを捉えて販売は好調だ。

ウェアラブルに必要なのは技術ではなくブランド

「スマートフォンの年間出荷台数が10億台を超え、ネットと繋がることが前提の社会が完成した今、技術や情報との付き合い方をリバランスすることが求められていると感じます」と製品のコンセプトを話すのは、ヴェルト代表取締役の野々上仁氏。サン・マイクロシステムズやオラクルで要職を務めたのち、2012年に起業した。

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