メーカーと本気の共創を生むECマーケティングの妙

吉岡晃氏 (アスクル取締役兼COO) text by Steve Moriyama

――法人向けオフィス用品通販最大手のアスクルで、入社以来一貫して新規事業を担当されてきた吉岡さん。閉鎖的といわれる医療の流通業界に見事に風穴を開け、医療介護施設向けビジネスをアスクルの成長ドライバーに育て上げました。現在、アスクルのメディカル&ケア事業部は、医科向け通販業界で最大の売上規模を誇っています。

次の山は、「アスクルの物流および商品調達力」と「ヤフーの集客力」の掛け算をもとに、ビッグデータをもちいて生活者とメーカーを直接つなぐECサービスです。

2012年10月15日に「LOHACO(ロハコ)」を立ち上げ、約半年後の2013年5月の最初の決算では売上高21億円、次の決算では見事に121億円を計上し、事業開始後1年半という国内EC史上最短期間で売上高100億円超を達成しました。さらに2014年5月期は200億円突破が予想されており、破竹の勢いは止まりません。

左)筆者、右)吉岡晃氏(アスクル取締役兼COO)

さて、僕と吉岡さんとの邂逅は実に印象的なものでした。初めて本を上梓した2001年以来、何度も熱心なお手紙をいただいて、ようやくお会いできたのが10年以上たってからでしたよね。

吉岡氏:スティーブさんの処女作以来のファンです(笑)。書籍で読み、壁にぶちあたったときなどはかなり勇気づけられたものです。 十数年経過した今でさえ、時折読み返す私のバイブルです。

――恐れ入ります。稚拙なことを書いていたので、お恥ずかしい限りです(笑)。そもそも僕の本を見つけていただいたのは、我々二人の共通の師である“B(バンブー)先生”こと竹生孝央氏のサイト上のことでした。

吉岡氏:ええ、あのサイトは当時とても人気がありましたよね。お陰様で、今ではB先生とも時々飲める仲になりましたが、当時僕は純粋に読者で、ほとんど発言できませんでした(笑)。

――そうでしたっけ。忘れてしまいましたが、数年前に初めてお会いしたときは、とても初対面とは思えない感じで飲めましたよね。

吉岡氏:ええ、これも何かのご縁でしょう。

――ありがたいことです。では先ずは乾杯といきましょう!

早速ですが、お仕事についてお話をお聞かせください。まず、「ロハコ」という名前の由来を教えていただけますか。

吉岡氏:Lots of Happy Communities の頭文字をとってLOHACO(ロハコ)としました。コンセプトは、”くらしをかるくする”というもので、日用品や調味料、水、お米など最短当日で自宅にお届けすることで、家事もこなす30代、40代の働く女性を応援していきたいと考えております。

――“軽い生活”ですか。

吉岡氏:そうです。特に働く女性にとっては、日常的な買い物という行為は、物理的にも心理的にも”重い”ものだと思います。買い物する時間のないお客様にECで手軽に、かつ安心して日用品をお求めいただきたいのです。朝の通勤時間にスマホで注文していただき、夕方には品物が自宅に届いているというイメージです。

――なるほど、それは便利ですね。なぜ、30, 40代の女性を対象としているのでしょうか。

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