2015年1月号
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スティーブ・モリヤマのクリエイティブサロン

3Dの先にある世界をのぞいてみよう

桐島ローランド(Avatta 代表取締役社長)

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ゲスト・桐島ローランド(Avatta 代表取締役社長)/於・花梨 text by Steve Moriyama

左)Avatta 代表取締役社長・桐島ローランド氏、右)筆者

――日本初のフォトグラメトリー専用スタジオAvatta(アバッタ)をオープンさせたばかりのローリー(桐島さん)。開業後のおおわらわの中、しかも台風が接近しているこんな晩にわざわざお越しいただきありがとうございます。今日はじっくりお話を聞かせてください。ではまず“嵐の晩”に乾杯しましょう!

桐島氏:  チアーズ(乾杯)、スティーブ!このグレンモーレンジィは美味いね。スコットランドの血が騒ぎます(笑)。

――そうそう、ローリーのお父さんはスコットランドのハイランド地方が故郷でしたよね。確かに、このシングルモルトは美味です(笑)。では、先ずは社名Avattaの由来から伺いましょうか。

桐島氏:  Avattaは、avatarという言葉から来ています。「化身」という意味で、「誰もが自分のデジタル化身を使う時代が到来する」という願いもこめて社名としました。

――イタリア語っぽい響きですね。そういえば、僕の弟はセカンドライフみたいな会社を日本でやっているのですが、そこではアバターを「マイキャラ」と呼んでるそうです。僕もローリーにデジタル化身を作ってもらおうかな(笑)。さて、先月号に登場していただいたテンクーの西村さんに人間の立体認識について聞いてみたのですが、65mmほど離れたこの2つの目があるからこそ、物を立体的に把握できるそうですね。

桐島氏:  ええ、左右の目で見え方が微妙に違うので、その違いを脳が瞬間的に判断し、物を立体的に見せているようです。ですから、ラフな3D写真でよければ、パソコンに二つのカメラをつければ撮影することができます。しかし、弊社のウリである「3Dのその先へ。ハリウッドクオリティーで、鮮やかな“今”をカタチに」を実現するためには、フォトグラメタリー技術が必要になってきます。

――素晴らしい。最高級クオリティーがウリなのですね、ではまず、日本の皆さんにはあまり馴染みがない「フォトグラメタリー」という言葉のご説明からお願いしてもよろしいですか。

桐島氏:  フォトグラメタリーとは、三次元の物体を複数のアングルから撮影し、そこから得た二次元画像を解析して三次元データをおこしていく先端技術のことです。弊社では、この技術をつかって、80台のカメラをシンクロさせ、あらゆる角度から被写体の“今”を撮影します。そうした大量の写真を、最新のソフトウェアで再現性の高い3Dデータに瞬時に変換します。世界ではすでに多くの分野で実用化が進んでいる技術なんですが、日本ではまだまだです。

――なるほど、そういう意味なのですね。そして、その隙間に勝機を見たのですね。

桐島氏:  ええ、そうです。アバッタは、日本市場でこの技術をいち早く採用し、日本初のフォトグラメタリー専用スタジオとして発進しました。

――「まだスキャン?これからはキャプチャーの時代です」というコピーは、斬新で力強いですよね。これまでの3Dとはどのように違うのでしょうか?

桐島氏:  これまでの3D撮影では、ハンディスキャナーが使われてきました。ただ、この方法ですと、被写体は10分以上も静止状態を維持する必要があったのです。

――被写体が人ですと、10分以上じっとしてるのはしんどいですよね。

桐島氏:  ええ、かなりしんどいです。ですが、アバッタのフォトグラメタリー撮影では、80台ものカメラのシャッターを同時に切ることで、360度の画像を取りこめるわけです。これを「キャプチャー」と呼んでいます。

――なるほど、一瞬を一気にとらえる技術があるから、同じ姿勢でじっとしている必要がなくなったのですね。

桐島氏:  ええ、流れるような動きのなかの、もっとも鮮やかな一瞬をとらえること。そういう写真本来の基本姿勢をもって3D撮影にのぞめるのが弊社のウリなんです。フォトリアリスティック(写実的現実性)というんですが、ハンドスキャナーでは三次元の距離を測って、点群に色をつけて3Dにするのですが、弊社のシステムですと、写真を撮って、それを貼り付けるので(テクスチャ・マッピング)、よりリアルに見えます。例えば、目の前のビールを3Dで撮るとしましょう。我々の目が、今この瞬間に認識している泡の雰囲気までも、この方法なら再現できるのです。他の例では、人がジャンプするところとか、ペットみたいにじっとしていられない動物の動きもリアルに撮れるのです。人々の生き生きとした瞬間を切り取り、その人自身の、そして大切な人との鮮やかな思い出をカタチにするお手伝いをさせていただければ望外の幸せです。

――素晴らしいですね。圧倒的臨場感をもった“今”感が表現できるのでしょう。ちなみに、ファッションや広告の世界で長年大活躍されてきたローリーがフルコミットして事業運営されるのですよね。

桐島氏:  ええ、私自身が、直接運営と監修にかかわっていきます。これまでの経験と自分の感性を生かし、いままでにない洗練された作品作りをプロデュースしていければとおもっています。

――アバッタの可能性は、ビジュアルの先にある世界を切り拓いていくところにあるとおもうのですが、そのあたりについてもう少しお話いただけますか。

桐島氏:  私のビジョンは、未来の社会にも幅広く生かせる、新技術と表現の融合にあります。現時点では、そうして撮影した3Dデータの一つの使い道として、フィギュア制作があり、実際、私のスタジオでもお客様にお作りしてますが、私の目標はそこにはありません。

――そう思ってました。もう少しお聞かせいただけますか。

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