宅配弁当 × ITに商機

景気の悪化とともに外食産業の市場規模は縮小している。オフィスでの「中食」に着目し、宅配弁当ビジネスを始めたのがスターフェスティバル。有名飲食店と提携し、弁当開発を進めた、その画期的なビジネスモデルとは?

濱野 亜紀
スターフェスティバル ごちクル主宰

近年成長を続けるインターネット市場で、ベンチャー企業といえばグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)などソーシャルゲーム関連の企業の名が挙がるだろう。2社合わせて時価総額は4000億円を超える。しかしソーシャルゲームだけがネット業界の産業ではない。成熟市場にITをかけあわせ、新たな市場を見出すベンチャー企業が存在する。

法人向け宅配弁当ビジネスで
10億円資金調達

インターネット市場で「宅配弁当事業」を行うベンチャー企業が、スターフェスティバルだ。このように表現すると新規性がないようだが、他の宅配弁当とは一線を画したビジネスモデルで急成長を遂げている。2012年6月期は取扱高が約7億円、2013年6月には同約21億円と3倍の規模に伸ばし、2013年8月にはジャフコ等からの10億円の大型資金調達を実施した。

6,500種以上の宅配弁当を扱う。これまでデリバリーをしていなかった有名飲食店「叙々苑」、「利休」などが弁当販売を次々と開始した

スターフェスティバルは2009年に岸田祐介氏が設立し、お弁当総合モール「ごちクル」を運営する。現在従業員数は200名以上、北海道から九州まで全国に6拠点に支社を持つ。インターネットや電話で注文を受け、指定した時間に届ける宅配弁当を提供する。3,000円以上の高級価格帯から低価格まで6,500種以上の弁当を用意。顧客は95%以上が法人で、企業の役員会や研修の弁当として定着してきた。弁当製造は560ブランド以上。「叙々苑」「赤坂璃宮」「美登利寿司」など有名飲食店が名を連ねる。なぜこのような有名店を巻き込むことができたのか。

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