一流に支持される日本の技術力

オリンピックや世界陸上で公式採用され、世界のトップ選手から支持されているハンマー、砲丸などを製造しているのが、東京・亀戸のニシ・スポーツだ。日本の中堅・中小企業の繊細な技術力が、スポーツの進化を支えている。

千葉県船橋市のニシ・スポーツ工場で製造されるハンマー。1個ずつ、職人技で微細な加工が行われる

2020年東京オリンピックの開催が決定したときに、スポーツ用具メーカーのニシ・スポーツでは社内全体が沸き立ったという。

東京・亀戸に本社を置く社員120人の中堅企業ニシ・スポーツは、日本のみならず世界の陸上競技界でよく知られた存在だ。中でも千葉県船橋の自社工場で製造する投てき器具(ハンマー・砲丸・円盤・やり)は世界トップレベルのアスリートたちから支持され、1985年の神戸ユニバーシアード大会を皮切りに、オリンピックや世界陸上に連続して公式採用されている。

選手にヒアリングして改善

たとえば直近の2012年ロンドンオリンピックでは、男子砲丸投げ決勝で100%、女子砲丸投げ決勝で60%、男子ハンマー投げ決勝では77%、同社の投てき器具が使われた。そして、男子砲丸投げの金・銀・銅メダル、女子砲丸投げの金・銅メダル、男子ハンマー投げの銀・銅メダル、女子円盤投げの金メダルを獲得したメダリストが、ニシ・スポーツ製品を選んだ(ニシ・スポーツ調べ)。

オリンピックや世界陸上などで使用される投てき器具は、あらかじめ組織委員会によって用意されたもので、選手はその中から自分に適したものを選ぶ。組織委員会は全世界のメーカーの製品から、過去大会の実績や選手の要望などをもとに、4~6種類を公式採用器具とする。

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