(続)データデモクラシー

データデモクラシーの出発点は、データから何を読み取るか、あるいは読み取れるかにかかっている。しかしそれは、データリテラシーの問題というよりは、人間の心と知性にかかわる深い問題であろう。

世界のインタ−ネットの俯瞰図の例。青系は米国、英国、ドイツ他のサイト、赤色、橙色、黄色、緑色、紫色はそれぞれロシア、イタリア、中国、インド、日本のサイトに対応し、それぞれの円の面積でサイトの規模が表現されている。

絆の大きな進化

岩田修一氏 事業構想大学院大学 教授

インターネット上ではビッグデータが飛び交い、通信速度に満足できないユーザは国際宅配便で大容量記憶媒体を送る時代である。そんなに沢山のデータを読み解き、大事なデータを選び出して使いこなせる人間が何人いるのだろうか?心配症なのでそのように考えてしまうが、時代は変化し、錯綜しても、結果的にはデータを通して人々は正しい方向を見出し、世界は着実に進化すると思うし、そうでなければならないと思う。

インターネットの前身であるARPAN ETの恒久的リンクが確立したのは1969年11月21日のことで、UCLAとスタンフォード研究所のIM P(InterfaceMessage Processor)間のことであるとWikiは説明する。その小さな一歩は40年余の間に大きく変化して図示するような巨大なシステムになり、数十億の人々をつなぐ情報インフラとなった。

約70億人の全人類をつなぎ、人類全体の運命に関わるデータを共有し、人々がデータを基に議論し、意見を調整するというデータデモクラシーとでも表現できるようなコミュニケーションが原理的には可能になった。「すばらしい新世界」が実現したのである。

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