「テレビ愛」から始まる革命

ワンセグを使った全番組録画レコーダーで注目を集めるガラポン。「テレビ離れ」も言われる中で、新たな視聴体験を提供することで、ユーザーの関心を引き付ける。合い言葉は「We Love TV」だ。

ガラポン・保田歩社長が目指すのは、「テレビ視聴の革命」だ。

「テレビ業界は、60年間構造が変わっていません。しかし今、その歴史が変わろうとしている。僕たちは、その転換点の中心にいる」 保田社長が考える「革命」とは何か。同社が提供する商品は「ガラポンTV」。8チャンネル分、24時間すべての番組を2週間分録画できる全録レコーダーだ。それだけ聞いても、インパクトは伝わりづらいだろう。今のHDDレコーダーでも結局は見ない番組が貯まっていくだけ、全録など不要と思う人もいるかもしれない。

しかし、「ガラポンTV」の特徴は、たくさんの番組を録画できる大容量にあるのではない。スマートフォンやPCからインターネット経由で番組を視聴でき、テレビ視聴を時間・場所の制約から解き放つ。さらに、番組の中身まで含めて検索することができ、ソーシャル機能の充実で、自分の知らなかった面白い番組を発見できる。

ガラポンTVは、従来の録画機のように「見たかった番組をあとで見る」ためのツールとは、コンセプトが抜本的に異なる。テレビの視聴スタイルに「自由」をもたらし、新たな番組との出会いという未知の体験をもたらすのである。

テレビの潜在力を拡大

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保田 歩(やすだ あゆむ)
ガラポン 代表取締役社長
1978年生まれ。2001年慶應義塾大学文学部を卒業し、システム開発会社入社。WEBシステムのSEとして勤務。趣味で始めたアパレル商品企画・販売業が時流に乗りヒット、後に事業を売却。04年ヤフーに入社。企画職として新規事業の企画立案に従事し、多くの新規事業をプロデュース。10年3月ガラポン株式会社を創業し、代表取締役に就任。生きるスタンスは、「面白いことを考えて皆を楽しくさせたいな」。

保田社長は、テレビの持つ潜在力、可能性をこう語る。

「テレビ離れが言われていますが、ネット広告市場が8000億円の一方で、テレビ広告市場は1兆8000億円と依然として巨大なマーケットです。今、テレビの広告費は視聴率を基準に決められています。視聴率はリアルタイムで見ている人の数なので、ガラポンTVで番組を見ても視聴率には反映しません。一見、テレビ業界の敵のように思われますが、実態は逆です」 ガラポンTVがあれば、今までテレビを見ていなかった人がテレビを見るようになる。実際、ユーザーの20%が今までテレビを見ていなかった人たちだという。

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