第9回:キャピタルゲインよりもビジネスゲインを

2013年に入り、TV局によるスタートアップへの投資が加速している。フジ・メディア・ホールディングスはいち早く2013年1月にファンド運営会社フジ・スタートアップ・ベンチャーズ(以下FSV)を設立。2013年10月末時点で既に5件の投資を実行している。FSV投資兼広報担当の鈴木修太氏に話を聞いた。

「投資事業ではありますが、純粋なキャピタルゲインを狙うよりも資本提携とセットにしたスタートアップとの事業提携を模索し、協業シナジーを生み出すビジネス上のゲインを主な目的としてファンドを組成しました。フジ・メディア・ホールディングスでは今までも大型の買収を行ってきましたが、グループとして成長分野に参入するに際し、既に身を投じているスタートアップ企業と組むことで早期の事業立ち上げを目論むのが最適であると判断しました」。

ガチャピン・ムックを活かした事業シナジー

FSVとしての投資一号案件は知育アプリを展開するスマートエデュケーションとなった。

「当社はシードやアーリーステージのスタートアップへの出資を主としているのですが、スマートエデュケーションに関しては明確なシナジーを創出できることが見込めたため、既に一定規模の事業を行っている企業ですが一号案件にふさわしいと考え、資本参画しました。スマートエデュケーションはスマホ・タブレット向けの知育アプリを展開しており、出資と同時にフジテレビキッズの手掛けるポンキッキーズの人気キャラクター『ガチャピン・ムック』のライセンスを利用した知育アプリ向けコンテンツをリリースしました」。

三号案件として投資したジモティーは鈴木氏が担当を手掛ける。ジモティーへの出資はグループ会社のサンケイリビング新聞社のweb事業における課題解決策となる案件であり、CVC投資のお手本のような案件といえるだろう。

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