クールジャパン政策と市場のリンク

「クールジャパン」を産業として育てるには、日本文化を世界の人々に理解してもらい、お金を回収する仕組みも含めた国としての文化戦略が必要だ。

アメリカのエコノミスト、ダグラス・マックレイは2002年の論文で「GNC(Gross National Cool、国民総魅力)」を提唱した。文化価値で国力を計る指標の1位には日本を挙げ、価値として、アニメや漫画などのサブカルチャーと、歌舞伎や茶道などの伝統芸能・伝統文化の二つを挙げた。

ブッシュ政権で国務長官を務めたジョセフ・ナイは、米国が軍事力と経済力というハードパワーを持ちながら、中東圏などの一部の国を納得させることのできない理由を、ソフトパワーが欠けているからだと分析した。そして、ソフトパワーを最も持つ日本に学ぶべきだと指摘した。

私は、海外から高い評価を受けたこれら日本のポピュラーカルチャーのコンテンツを「ジャパンクール」と呼んだ。これらに共通することは一般市民によって創作され、広がったということだ。浮世絵や歌舞伎を作り、楽しんだのは町人だった。現代のサブカルチャーもコミケやニコニコ動画のような場で広まってきた。

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