第2回 変動損益計算書を活用する
会計は経営の羅針盤。事業を成功に導くには意思決定会計としてのビジネス会計の活用が欠かせない。本稿は6回にわたり、社長はじめリーダー層が身に付けておくべき損益分岐点、投資採算、企業価値、資金繰りなどの要点を分かりやすく実践的に解説する。
損益計算書を組替える
意思決定のためのビジネス会計では通常の損益計算書でなく変動損益計算書の様式が有効である。一般の損益計算書(図1)は売上総利益、営業利益、経常利益が計算される。これに対して変動損益計算書(図2)は売上高から変動費を控除して「限界利益」を、限界利益から固定費を控除して「経常利益」を計算する。両者の違いは売上原価と販売費管理費等を「変動費」か「固定費」に分けて組替えるだけだ。
「変動費」は売上高に比例的に増減する原価・費用であり、商品の仕入原価、材料費、外注費などがある。これに対して「固定費」は売上高の増減に関わらず定額で発生する原価・費用で、役員報酬、保険料、減価償却費などがある。
一般の損益計算書の欠点は経営管理には役立ちにくいことだ。
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