2013年2月号

ザ・ライバルズ

コンビニ対決! セブン-イレブン×ローソン

月刊事業構想 編集部

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長年、お互いにしのぎを削りながら、日本の小売業界に革新をもたらしてきたセブン-イレブンとローソン。両社は時代とともに店舗の機能を進化させ、宅配サービスなど、新たな戦略を展開している。両社の現状を示すとともに、それぞれの強みやカルチャーを明らかにする。

セブン-イレブンは「便利」を追求する職人 ローソンは新しいことを試みるクリエイター
-コンビニジャーナリスト 吉岡秀子

セブン-イレブンは道なき道を歩んできたパイオニアです。保守的と言う人もいますが、その逆。常に消費者の「便利」とは何かを追求し、変化に対応して、その王道を貫いています。定番品に強く、頑固にクオリティを保つ職人的なところがセブン-イレブンの特徴です。バブル期の便利と不況期の便利は違います。セブン-イレブンは、高齢社会に向けて、お年寄りの来店増加を予測。野菜や惣菜のプライベートブランドを強化して、いち早くミニスーパーのようになってきました。住民票写しの交付にも対応するなど、地域の拠点になろうとしています。

一方でローソンは、新しいことを試みるクリエイターと言えます。HMVを子会社にするなど異業種とのコラボにも積極的です。女性や外国人の登用など、ダイバーシティが一番進んでいるのもローソンです。都会の女性に支持があるのはローソンでしょうか。「まちかど厨房」など店内調理や、スタバと競合するような「マチカフェ」の展開など、ワクワクドキドキを与える演出に長けています。プライベートブランドのパッケージもオシャレにするなど、感性に訴えるのが上手です。

経営者を見ると、セブン-イレブンは、鈴木敏文会長の哲学が店員にまで浸透していて、ぶれない強さがあります。一方でローソンは、8つの支社が権限を持つ自立的な組織になっていて、新しいことがやりやすい自由な社風を感じます。

両社の違いは、「おでん」にも表れています。おでんは粗利が高いので、各店舗も力を注ぎますから、おでんの味やオペレーションで、チェーンの力を測ることができます。セブン-イレブンが「つゆ」にこだわり、味を徹底して追求する一方で、ローソンは焼きおにぎりやハンバーグをおでんの食材にするなど、食べ方の提案に力を入れています。こうしたところにも、職人とクリエイターという両社の違いが表れています。

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吉岡秀子(よしおかひでこ)
関西大学社会学部卒。「AERA」などに大手コンビニの商品開発に焦点をあてた記事を多数執筆。著書に『コンビニだけが、なぜ強い?』、『セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側』(朝日新書)。
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