Wi-Fi無料接続で膨大な顧客情報を獲得

「フォースプレイス」の先に見据える戦略

日本では、7月からスターバックス都内店舗でWi-Fi無料接続サービスが始まった。このサービスは顧客に快適な空間を提供するだけではなく、スターバックスに多大なメリットをもたらす。

スターバックスの商品とは「コーヒー」であり、極端な話、価格だけで比較した場合には自動販売機さえライバルになり得る。何故同社は他店より高い価格でコーヒーを売り、業績を拡大させ続けているのか? その答えはスターバックスの企業理念にある。単にコーヒーを飲む場所を提供するのではなく、顧客にとって自宅と会社以外の快適な空間「サードプレイス(第三の空間)」になることを企業理念としている。つまり「空間」を販売しているのだ。

空間をパーソナライゼーション

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ここに近年第4の場所「フォースプレイス」構想が加わった。この「フォースプレイス」とはTwitterやFacebookといった「デジタル空間」を指している。この「フォースプレイス」によって今まで店の中でしか築けなかった「スターバックスの経験」を店の外に拡張できるようになった。デジタルによる顧客とのタッチポイントは既にFacebook 3190万、Twitter 288万フォロワーに成長し(スターバックス本体の数字)、物質の世界で培ってきた40年間の顧客との信頼関係を「店」の外へ複製し、経験を共有することが可能になった。

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