河川水、海水から水道基準を満足する飲料水を大量に提供

濁った水から飲用可能な水を作り出す。しかもトラックや航空機に乗せて移動させることもできる。それがNECファシリティーズの「車載型浄水装置」。自衛隊用として開発され、現在は民間向けにも発売されている。その性能、特徴に注目が集まる。

車載型浄水装置

「災害になると水がない!となりますね。でも「飲み水」は上手く確保されていて、災害初期を過ぎると次に必要になってくるのが大量かつ安全な生活用水です。たとえば国連のPKO活動の基準だと、一人につき1日に用意する飲み水は4.5リッター。それに対して、生活用水は80リッターにもなっています」とNECファシリティーズの事業企画担当の関口仁至氏は言う。

奥村 法和 NECファシリティーズ株式会社 執行役員 ビジネス企画推進本部長

大規模な災害発生時には、飲み水は最優先で確保される。しかし、洗濯、風呂などに使う水までが確保、供給されるまでには、かなりの期間を要する。また手洗い用の水など衛生環境保持のための水も、非常に重要だが、そこまで大量な水を常時備蓄することは、ほぼ不可能である。

それを解決するのがNECファシリティーズの「車載型浄水装置」だ。これは濁った水(日本の大きな川の河口部近くの水質程度)や海水を、飲用可能な水に浄化するもの。避難所の近くに河川や湖、海があれば、その水を利用して、大量の飲用も可能な生活用水を作ることができる。

同社は工場施設などを構築し管理する会社であるが、NECの電子部品事業(半導体・液晶)で培った超純水製造のノウハウを持っており、それを応用、発展させることで「車載型浄水装置」が生まれた。

「もともとは自衛隊向けに開発しました。そのため運用しやすいように、軽く小さく、そして頑丈。それが大変でしたね」とは開発を担当した松上俊行氏。自衛隊の一般的な3.5トントラックに乗せるだけでなく、そのまま輸送機にまで入れる。さらに3分割してヘリコプターでつり下げて運搬することまで求められた。重心も考慮しなければならないのだ。また、外気温は-30度から+60度での運用。

もちろん電源も内蔵している。「そんなものを作った経験はありませんから、走りながら考えるという感じでしたね」と松上氏は苦労を振り返る。

「この製品は防衛向けのスペックなので非常に高性能です。でも、これほどの性能はいらないというケースもあるでしょう。そこは求められるお客様にあわせてスペックを変更することもできます」と開発当時の事業責任者で現在は企画関係執行役員の奥村法和氏。こうした製品を必要とするのは自治体だろう。

NECファシリティーズとしては、地域ごとのニーズに合わせて、寸法や性能も相談にのるという。

「この製品は、社会の“安心・安全”に貢献できるものでしょう。社会のみなさまのお手伝いができればとNECファシリティーズはいつも考えています」と奥村氏。

 

お問い合わせ

  1. NECファシリティーズ株式会社
    ビジネス企画推進本部

  2. TEL:03-3455-2507
  3. 製品URL:http://www.necf.jp/solution-service/bcp/02.html
  4. WEB問合せ:上記URLページ内問合せバナーよりお願い致します。

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