特許分析でチャンスを読み解く GAFAが未着手の領域も判明?

アルゴリズムを用いて特許情報を解析し、その結果を俯瞰図でマッピングすると、企業の戦略や将来像などについて、多くのことが分かる。例えば、GAFAが保有する特許情報の俯瞰図から、GAFAと対峙できる事業分野を読み解くことも可能だ。

解析とは何か?
そして、アルゴリズムとは?

今回はVALUENEX社の協力を得て、俯瞰図(マッピング)を用いて見えることについてお伝えしたいと思います。VALUENEX社の中村達生CEOは、いつも本質をとても分かりやすい言葉で伝えてくれます。今回も、解析やアルゴリズムやそこから分かることについて教えて頂きました。

先ず、解析とは何かということです。解析とは、仮設設定→検証→発見→仮説設定→検証→発見→仮説設定というループを繰り返し、結論を導き出そうとするものであり、そこには、客観性と俯瞰性が不可欠であると言われます。即ち、解析を使った検証・発見は、①人の知見、判断を極力排除、②欠けた情報を繋ぎ合わせる、③全体像を把握することになる訳です。

もう1つ重要な点は、情報(Data)とは、常に不完全なものであるということです。よって、不完全なデータを基に、仮説設定の繰り返しと結論を導き出すのは、結局人であり、いかに知力を働かせて想像力豊かな仮説を設定できるかが最も重要な要素となります。

加えて私がとても面白いと思ったのは、解析に使われるアルゴリズムの話です。アルゴリズムを分かりやすくいうと、優先順位ということ。もし今、3件の予定があり、1つは重要な仕事、2つ目は重要取引先からのランチのお誘い、3つ目は山登りであったとして、どれを優先するかは、3件であれば自分の価値観の順に決めることができます。私の場合は、山登り、ランチ、仕事としたいところですが、そうは簡単にいかないですよね。

さて、これが1万件あったら、優先順位を自分で決められるでしょうか?この1万件の予定を、優先順位をつけて決めるのがアルゴリズムだというのです。大量のデータを仮説に基づいて優先順位を決めて客観的に分析すること。よって、優先順位の付けかた次第で解析結果も変わってしまう可能性があるのでしょう。少し、分かったような気がして来ました。

特許を解析した俯瞰図から
企業の戦略が見えてくる

さて、以前もお伝えしましたが、特許情報は権利書という側面以外に技術書としてもまとまっており、その網羅性、情報の品質、経年変化の把握、付帯情報として人や組織のことまでを含んでいます。そこで、特許情報を中心に、マーケット情報や金融情報を加えることで、現状だけでなく将来像も描け、特許分析はもちろんのこと、競合分析、M&Aの精査、株式市場分析、投資やR&D戦略策定さらにヘッドハンティングに使えることになります。

具体的に解析された俯瞰図を見てみましょう。図1は、富士フイルムの1980年から2018年までの米国特許の俯瞰図です。

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