2018年4月号
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ザ・ライバルズ

三井化学 vs. 三菱ケミカル 総合化学メーカー対決!

月刊事業構想 編集部

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IoT、ロボットの進化や、車の電動化・軽量化などの大きな潮流に乗り、中国の環境規制による需給逼迫という追い風も受けて、日本の化学産業が活況を呈している。2017年に発足から20年となったを経た三井化学、同年に生まれ変わったばかりの三菱ケミカルの今とこれからを見る。

時代の変化を追い風に好調続く2社

日本の化学産業が好況だ。IoTやロボットの進化に伴う半導体増産、自動車や航空機の軽量化、欧州や中国で進む「EVシフト」等々、高機能化学材料に対する需要は高まるばかり。中国で環境規制が厳格化し、多くの化学工場が生産停止していることも追い風だ。株式市場でも「化学」指数は上昇が続き、存在感が高まっている。

総合化学メーカーの役割や今日的価値を把握するには自動車分野を見るのがわかりやすい。

自動車は今、燃費向上によるCO2排出削減に向けて軽量化が進んでおり、欧州では高級車で軽量・高剛性な炭素繊維複合材料「CFRP」の採用が始まっているが、日本では昨年発売されたトヨタ「プリウスPHV」がバックドアに使用、今後普及車への導入が期待される。

2014年発売の人気軽自動車スズキ「ハスラー」がインパネに使用しているのは植物由来樹脂だ。金属部品がどんどん樹脂に置き換えられており、エンジンを樹脂にしようという研究もある。金属と樹脂の共存が必要な箇所では「異種素材接合技術」が活用されるが、これも急速に進化している。プリウスPHVのバックドアは三菱ケミカルの炭素繊維複合材料「SMC」、ハスラーのインパネは同社の「デュラビオ」だ。異種素材接合技術については、三井化学も2020年の採用に向けて部品メーカーとの共同開発を急ぐ。

三菱ケミカルは、三菱樹脂、三菱化学、三菱レイヨンを統合する形で昨年発足、各社の事業を10部門に再編して総合的な体力向上を図っている。親会社三菱ケミカルホールディングスの中期経営計画「APTSIS 20」では、最終年度である2020年に連結営業利益3,800億円達成を目指していたが、好調な業績から4,300億円に目標を引き上げた。一方、三井化学も、2035年を最終年度とする長期経営計画で掲げた営業利益2,000億円を近々引き上げるようだ。一方で、暮らしや産業に密接に関わる製品やサービスを展開する両社だけに環境・社会軸でも高い目標を掲げ、SDGsとの整合性も図っている。三菱ケミカルは環境・社会の持続性への貢献度を「MOS指標」として可視化し、三井化学は環境に貢献するBlue Value、やQOLに貢献するRose Valueといった独自の製品基準を設定、その比率向上を目指す。

両社が足もとの好況にも手綱を緩めることなく事業環境の変化に対応し、「持続可能な開発」や低炭素社会への道を歩んでいることは注目される。今後も時代の要請に高いレベルで応えていくことに期待したい。

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