人の未来に寄り添う先端技術とは?

渡邊 「日本語版まえがき」でも触れましたが、著者はエージェントを「執事」と表現しています。執事は主人の身の回りの雑務など主人が直接やるまでもないことを何でもこなしてくれます。こうしたAIのあり方は、スマートスピーカーなどの新潮流をどう設計したらよいかを考える有用な知見を与えてくれます。

人の興味が高く即時必要な情報には、今まで通り、密でリアルタイムの検索ツール機能を使えばよいのです。他方、「先々あったら助かる情報」については、依頼しておき、ある時に検索結果を返すエージェント機能に任せるのです。本書では、こうした執事のようなAIのあり方をさまざまな観点から考察してはいますが、著者本人が開発していないところが少し残念なところです。また、これらの設計は先端で過渡期にありますから都度販売される製品を体感することが大事だと思います。『SF映画で学ぶインターフェイス・デザイン』(日本語訳は、丸善出版から2014年に刊行)などの著作をはじめ、幅広い経験から導き出したと思われる事例は示唆を与えるでしょう。

ーーー本書の示唆から、情報と人の将来はどう変わるとお考えでしょうか。

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