Microsoftに「挑戦者の魂」を サティア・ナデラの破壊と創造
もう一度、起業家精神にあふれたMicrosoftを取り戻す。2014年にCEOに就任したサティア・ナデラは、巨大企業を抜本的に変革。かつての路線を否定し、オープン化の方向へと大胆な戦略を進めている。
2014年2月、当時Microsoftのエンタープライズ部門シニアバイスプレジデントだったサティア・ナデラが、同社CEOに正式に就任すると決まったとき、多くの人々が今後のMicrosoftに訪れるであろう変化に期待した。
技術に疎かった前CEOのスティーブ・バルマーに比べ、テクノロジーへの深い理解とビジネスセンスを兼ね備えたナデラであれば、もう一度、Microsoftを「最先端のテックカンパニー」へと押し上げることができるかもしれない、と。
そして2年あまりの月日が流れた現在、周囲がナデラに抱いていた期待はある意味、裏切られたと言えるのかもしれない。なぜならナデラが振るい続けている大ナタは、「Microsoftに変化をもたらす」などという生ぬるいものではなく、40年以上に渡ってソフトウェア業界のトップに君臨する巨大企業のあり方を、根底から破壊する可能性を秘めているからだ。
「ここまでMicrosoftは変わるのか、変われるのか」――。この2年で何度、内外の関係者からこの言葉を聞いただろう。まるで西海岸のスタートアップに戻ったかのようなMicrosoftの動向は、今、世界のIT勢力図を大きく塗り替えようとしている。
Windows至上主義から脱却
「モバイルファースト、クラウドファースト」、「Microsoftはプラットフォームカンパニー」。これらのフレーズはナデラが最初に言ったわけではなく、前CEOのバルマーやMicrosoftのボードメンバーも、ことあるごとに表明してきた。
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