東大より人気の留学先!? 青山から世界へ発信する研究拠点
日本に本部が置かれている唯一の国連機関が、国連大学である。青山のシンボルでもある国連大学本部は、世界中から研究者や留学生が集まるグローバルな研究拠点となっている。
国際連合大学(以下、国連大学)は、1975年に東京に設立された国連機関だ。東西冷戦時代の1969年に当時のウ・タント国連事務総長が国連大学の設立を提唱したのをきっかけに設立された。当時、国連では各国に本部の受け入れ先を募り、翌1970年に日本の佐藤栄作首相の肝いりで誘致活動を行い、日本に本部が設立されることになった。佐藤首相は、世界の平和と福祉の向上のために国連が大きな役割を持つという考えのもとに誘致したのであった。
課題解決のためのシンクタンク
「国連大学には、平和とガバナンス、環境とサステイナビリティという大きなテーマがあります。世界各地に研究者のネットワークと拠点があり、活動を行っています」と、武内和彦国連大学上級副学長。武内副学長は、日本人スタッフのトップを務めるとともに、東京大学教授として長年、緑地環境学、地域生態学、サステイナビリティ学を研究している。
「たとえば、アフリカのガーナ北部では、たびたび干ばつと洪水を繰り返しています。環境悪化は深刻な状況で、国連大学では、現地の研究機関と協力して、気候・生態系変動の予測や影響評価を行っています。またマレーシアではグローバルヘルスの観点から感染症について調査研究を行っています」
国連大学は、環境とサステイナビリティの課題に最も力を入れて取り組んでいる。
東京大学より人気の留学先
「国連大学は正規の学位課程をもたない大学として設立しました。それは、設立時の国連総会で、学生を受け入れることが認められなかったという経緯があります。そこで、5週間の研修プログラムを用意して、世界中から研修生を受け入れて、大学院レベルの教育を行ってきました。
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