2016年1月号
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成熟産業にチャンスあり

1作品最大16ページ 出版業界を驚かせた「文鳥文庫」誕生秘話

文鳥文庫

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活字離れが叫ばれて久しいなかで、1作品最大16ページという新しい文庫シリーズ「文鳥文庫」が静かなブームを呼んでいる。しがらみやルールにとらわれない、「よそ者」発想がヒットの理由だ。

「文鳥文庫」第一弾は夏目漱石や坂口安吾などの近代文学の名著8作品を収録

「文鳥文庫」は、梶井基次郎の『檸檬』、太宰治の『走れメロス』、坂口安吾の『堕落論』、宮沢賢治の『注文の多い料理店』など、日本近代文学の名著8作品をセットにした文庫本だ。特徴は、1作品ごとを別々の蛇腹式の紙に印刷していること。1作品あたり最大16ページで、読み終わるまで10分もかからない。本ではなく作品を持ち歩けるという、文庫本の新しいデザインである。

8月末の発売時は、代官山蔦屋書店と下北沢B&Bの2店舗のみでの取り扱いだったが、一切の営業活動をしていないにも関わらず、販売書店は約50店舗まで拡大。大手書店での取り扱いも増えている。

文庫本という構造の問題点

文鳥文庫を発行する文鳥社は、元博報堂のコピーライターである牧野圭太氏が立ち上げたデザインオフィスだ。牧野氏は書籍、特に文庫本の販売が著しく落ち込んでいる状況を変え、もっと文学作品に気軽に親しんでもらう仕組みはないかと考えた。

行き着いたのは、「本は重すぎるし、長すぎる」ということだ。1台でどんな情報でも手に入るスマートフォンに対して、文庫本は重いし、サイズも大きい。人が何かに集中する時間も短くなり、本を一冊読むという行為には耐えられなくなっている。

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