2014年4月号
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リーダーの本棚

データ分析に頼る前に直観に従う実行あり

水越康介(首都大学東京大学院 ビジネススクール 准教授)

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ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ Ⅰ
ウォルター・アイザックソン( 著)
井口耕二(翻訳) 1,050円(税込)/講談社

データ至上主義になる前に

ビッグデータをはじめとした分析やリサーチが隆盛する昨今である。顧客のことは何でもわかるようになった気もするが、本当のところはどうなのか。少し考えてみたらどうかと思う。

そもそも、この手のデータ分析については、優れた経営者は往々にして否定的であるようにみえる。例えば、スティーブ・ジョブズはリサーチをしなかったと言われる。『スティーブ・ジョブズⅠ』には、有名な逸話が記載されている。マッキントッシュ発売の日、どういう市場調査をしたのかとポピュラーサイエンスの記者にたずねられたジョブズは鼻で笑った。「アレクサンダー・グラハム・ベルが電話を発明したとき、市場調査をしたと思うかい?(邦訳291頁)」

ジョブズに限らず、ネスレ日本を飛躍させている高岡浩三社長の書籍『ゲームのルールを変えろ』にも、似たような記述をみる事ができる。「そのときにリサーチはやらない。リサーチを行なったとしても、消費者が本心を語るとは限らないからだ。...その代わり、仮説を立てる(91頁)」

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