新興国で武者修行 未知への挑戦が人を育てる
テルモは、NPO法人クロスフィールズが提供する新興国「留職」プログラムを活用し、若手社員をインドネシアのNGOに派遣した。現地で社会課題の解決に取り組んだその社員は、何を得ることができたのか。
まったく違う国で、誰も自分のことを知らない状況で、ゼロから挑戦する機会があったら、何ができるだろうか。NPO法人クロスフィールズが提供する新興国「留職」プログラムは、いわば武者修行のような体験を提供する。企業で働く人材が新興国のNPO等へと赴任し、一定期間、現地の人たちとともに社会課題の解決に挑む。
テルモ開発戦略部・髙橋光氏は、今年1~2月の2ヵ月間、インドネシアへの留職を経験した。まず取り組んだのが、ジャカルタのクリニックで医療廃棄物の管理を改善するプロジェクトだった。そこで見た医療現場の実態は、日本では想像できないものだった。
「使用済みの注射針をそのままビニール袋に捨てていたり、針刺し事故などの感染症の危険性がありました」 テルモでは、今回の留職プログラムの展開に当たり、日本でサポートするチームも公募した。集まったメンバーは若手の6人。髙橋氏は抽出した課題を日本のチームとも共有し、解決策を一緒に考えていった。
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