アプリ成功のカギは課金フローの設計にあり

課金に苦戦しているサービスが多い一方で、スマホ上でビジネスを伸ばしている事業者も出てきている。クックパッド食べログ弁護士ドットコムの3つの事例から成功要因を探る。

フィーチャーフォンからスマートフォンへと市場の主役が転換していく中で、フィーチャーフォンでのビジネスモデルの主役だった各携帯キャリアの公式サイトによる月額課金ビジネスは、軒並み苦戦を強いられている。コンテンツ・プロバイダーとして一世を風靡した各社は、スマホへの転換にうまく乗り切れているとは言い難い。

そうした中で、スマホ上でも月額課金でビジネスを伸ばしている事業者も出てきている。

月額課金の代表的なサービスとしてクックパッド食べログ、新興勢力である弁護士ドットコムを取り上げ、スマホでの月額課金成功のポイントを考察する。

クックパッド 利用シーンを考え、見せ方と操作性で創意工夫

国内ナンバーワン・レシピサイトのクックパッドは、月額課金制のプレミアムサービスを提供する「会員事業」を展開している(注:スマホだけでなく、有料会員になればPCやタブレットでも同様のコンテンツを閲覧できる)。

直近の2013年1月末時点のプレミアム会員数は約90万人と、約4年で9倍の伸びを示す。スマホの月間利用者数は、2012年2月の約350万人から2013年1月には約870万人と倍以上の伸びを示した。

スマホでの取り組みに関して、会員事業部長の加藤恭輔氏は、こう語る。

「スマホとPCで有料会員が利用できる機能は、基本的に変わりません。スマホによって、電車の行き帰りや買い物、実際に料理をするときなど、利用シーンが増えたという点で利用者の拡大につながったと思います」

加藤恭輔 クックパッド 会員事業部長

確かにPCを見ながら料理をするのは現実的ではない。スマホ同様、タブレットを見ながら料理をするユーザーも増えているようだ。

「スマホはフィーチャーフォンよりも画面が大きいので、それを活かしたUI(ユーザインタフェース)設計に注力しました。レシピがおいしそうに見えるように大きな写真を載せたり、シズル感が出るように創意工夫を凝らしました。電車の中での操作などを考え、操作のしやすさを突き詰めました」

またスマホでのサービス設計を考える上で、アプリかスマホブラウザかという議論がある。

クックパッドのユーザーの利用状況は、モバイルの月間利用者のうちスマホブラウザが870万人、スマホアプリが約500万人、フィーチャーフォンが約300万人だという。

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