バイオミミクリーの提唱者が語る、生物模倣技術の過去・現在・未来

ジャニン・ベニュスインタビュー

1997年、「自然と生体に学ぶバイオミミクリー」という本が出版された。この本の著者であるジャニン・ベニュスが、"バイオミミクリー"という言葉の名付け親である。サイエンスライターであり、この世界の第一人者である彼女に話を聞いた。

―バイオミミクリーとはどういうものか教えて下さい

バイオミミクリーとは、より持続可能なデザインを創造するために、自然の形、プロセス、そして生態系から学び、模倣する、というものです。自然は38億年かけた進化の後に多くの課題、例えば、エネルギー、食料生産、気象の制御、環境に優しい化学、交通、コラボレーションなどなどを既に解決してしまっています。このような地球の実際的なデザインを模倣しようとするものです。

―バイオミミクリーを三つのレベルで考えるとわかりやすいですか?

はい、バイオミミクリーの第一のレベルは、自然の形の模倣です。デザインのコピーだけでは、持続可能なものを得られるかそうでないかまだわかりません。第二のレベルは、自然のプロセスの模倣、あるいは、どうやってそれが作り出されるのか、ということの研究です。無害で優しい自然のレシピを模倣しようとしています。第三のレベルは、生態系自体を模倣するものです。この三つのレベルで模倣することができれば、環境にうまく適応したすべての生物が学んできたこと、生きるのに役立つ条件を創造し始めることができるでしょう。私たちが長期的に地上にとどまりたいのであれば、空気と水を濾過し、土壌を作る―つまり、豊かで住みやすい生息地を維持する方法を、先輩たち、私たちの良き隣人から学ぶ必要があります。

―いつからバイオミミクリーに研究の焦点を絞られたのですか?

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