41歳、6度目の五輪へ 水泳界のリーダーが語るスポーツの力

生後7か月から水泳を始め、小学5年生の秋から飛込選手としてのキャリアをスタートさせた寺内 健。中学2年生で日本代表に選ばれて以来、27年に渡り、飛込選手として日本の水泳界を牽引している。世界トップレベルの実力はもちろん、その明るい笑顔や発言でもファンを魅了し続けてきた寺内も今夏で41歳。オリンピック6度目の挑戦となる東京五輪を目前にした今、何を思い、挑むのか――。

文・油井なおみ

 

寺内 健(飛込競技選手 日本代表)写真:YUTAKA/アフロスポーツ(世界水泳 2019 光州大会 飛込 男子 3m飛板飛込 予選)

辛い練習に追い込まれた10代
重圧に苦しんだ20代

「このコロナ禍で『今まで当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかった』とよく言われるじゃないですか。10数年前に自分はまさにそういう経験をしていたんです」

小学5年生で馬淵崇英コーチに才能を見出され、早々に才能を開花。1986年、高校1年生でアトランタ五輪に出場して以来、日本一の飛込選手として水泳界を牽引してきた寺内 健。

「10代のときは正直、毎日辛い、辞めたいと思って過ごしていたんですよ」

そう言って笑う。

「飛込って日本ではマイナー競技。そこで日本一になっても誰も応援してくれへん、というひがみもありました」

そんな気持ちを変える転機となったのがアトランタ五輪だった。

「アメリカでは飛込はメジャー競技。大勢の観客の熱気の中で飛んだときの、あの感動は今も覚えています」

帰国後はオリンピック選手として声援を受けるようになり、練習は変わらず辛かったが「応援に値する選手にならなければ」と意識するようになった。

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