2019年2月号
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移住者はなぜ過疎の町に集まる? 『神山進化論』ほか注目の新刊

月刊事業構想 編集部

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四国の山奥に、若い移住者やIT企業が集まる、不思議な過疎の町があるというテレビニュースを見ました。ITベンチャーの若い社員が、川のせせらぎに足を浸しながら、膝の上でパソコンを聞いて仕事をしていました。背景に山並みが映りこんでいて、いっぺんに魅了されました。

ネット社会になって場所に制約されない働き方が広がるなかで、新しい働き方に興味のあるビジネスマンにも手にとっていただければと願っています。

――愛媛県出身ということも、関心を持たれたことと関係していますか。

むしろ母の郷里で暮らした3年間の体験が、地域再生の取材に駆り立てる原点になっています。自然は豊かだけれど、住民は出て行くばかりで活気がない。愛着のある地域をどう守っていけばいいのか。そんなことを子どもの頃から考えていました。

――過疎地域が移住者をひきつけた契機は何だとお考えですか。

過疎地域はどこも移住者の誘致に躍起です。するといきおい、「移住するなら骨を埋める覚悟で」と迫ったり、町を出て行った移住者のことを「あんなに世話してやったのに裏切られた」と言ったりする地域も出てきます。

悪気はないと思いますが、移住者にすると重荷で、そうした地域は敬遠されます。ところが、神山町に行って感じたのは、出入り自由の雰囲気でした。まなじりを決してという感じが少しもありません。それでいて、ヨソ者をオープンに受け入れている。さらに人が集まることによって多様性が生まれ、それがまた、人を呼び込むという好循環が生まれています。

――官民連携の役割は何だとお考えですか。

「グリーンバレー」などのNPOが牽引する流れを変えたのが、2015年の町の地方創生戦略づくりでした。町の職員と住民がひとつになって戦略を練り上げるなかで、町が直面している課題を職員や住民が自分事として考えるようになったのです。

官民連携の役割とは、資金力をもち、住民福祉の向上に責任を持つ官と、臨機応変に動ける民が、互いの良さを出し合うことです。官が情報を出し渋ったり、プロジェクトの決定プロセスに民を立ち入らせなかったりする例が多いなか、神山町では、本物の協働が始まっています。

実は取材で一番感銘を受けたのが、この点です。ひとことで言えば、プロセスを大事にしたからです。ぜひ手にとっていただければ幸いです。

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