こんな授業ならやってみたい? ICT活用で担任主導の小学校英語
2020年小学校英語の
教科化を見据えて
New Education Expo 2018(東京)が6月7〜9日の3日間で開催された。総動員数は約7400人で、ICT機器や多種多彩な教育ソフトウェアを体験できるブース展示に加え、学術機関、教育現場、官公庁、産業界など、教育業界で活躍している方々を講師として招いたセミナーが開催された。
その中の注目セッションである「未来の教室体験 フューチャークラスルーム®ライブ」では、『はじまる英語 ~小学校英語「短時間学習」授業を体験頂けます!~』をテーマに神奈川県大和市立小学校の教諭である山賀優氏が登壇。
神奈川県大和市では2016年度より3年間にわたる英語教育推進業務をmpi松香フォニックスに委託して遂行。ALT(外国語指導助手)との45分共同授業とICT教材を使う短時間授業を実施している。
実際の体験授業では、山賀氏が「Hello, everyone!」と笑顔で登場し、場の雰囲気が一気に和やかに。「Let's start! Let's watch the DVD.」とはっきりと分かりやすい英語の指示と共に授業が始まった。
モニターにはメニュー画面が映し出され、最初は可愛い男の子が登場するストーリーを視聴。日常で使われる英語表現で、子ども達にも分かりやすく設計されている。何度も繰り返し視聴することで覚えやすいフレーズが詰め込まれている。視聴後に山賀氏から「What did you hear?」と質問があり会場はちょっとびっくり。なるほど、動画教材もこのように視聴後に子ども達に声かけすることで学びが一方方向にならない秘訣かと感心した。
続いて、文字と音の関係を学ぶフォニックスアルファベットジングルをリズム良く言ったり、アルファベット(小文字)学習では空中書きをしたり、動画教材を生かした体験授業が続き、参加者の関心が高い様子だった。驚いたのは山賀氏が全て英語で授業を進めたことだ。それにもかかわらず、参加者に戸惑いが少なかったのは、短い指示語を使い、ジェスチャーを多用したことが大きい。参加者からは「こんな授業ならやってみたい」と呟いていたのが印象的だった。
担任主導の授業実施を実現
体験レッスン後に山賀氏は「最初は決して、英語が得意ではなかったのですが、教師が率先して英語を使う態度を見せなければ子どもに示しがつきません。教室で使う英語にはパターンがあることに気づき、今では英語で授業することにそれほど苦労していません。難しい英語を使わないことで、子どもにとって、分かりやすい授業になっていると思います」と話す。
英語学習における音声インプットを大切にするために、ICT教材を有効活用することは、子どもの英語力の素地を築く一旦を担えるのではないだろうか。