人が普段、目にするのは1階であり、魅力的なまちは1階が活気にあふれている。建物の1階が、まちに開かれたものになれば、そこからまちは変わっていく。「1階づくりは、まちづくり」を実践するグランドレベルが、「喫茶ランドリー」の運営に乗り出した。

東京都墨田区千歳の住宅街にある「喫茶ランドリー」。築55年の建物の1階、もともとは手袋の梱包作業場として使われていた場所をリノベーションした

田中 元子(グランドレベル 代表取締役)
日本の1階は寂しすぎる――。1階の価値に着目し、1階を豊かにすることを目指す会社、グランドレベルが企画・運営する店舗が「喫茶ランドリー」だ。
「喫茶ランドリー」は、東京都墨田区千歳の住宅街にある。グランドレベルの代表・田中元子氏が知り合いの不動産会社、創造系不動産から築55年の建物の活用について相談され、もともと手袋の梱包作業場として使われていた1階の空間を「喫茶ランドリー」にリノベーションした。
「かつては倉庫や町工場が多かったエリアです。それが今、マンションに建て替わっているので、人口は増えているはず。でも、まちを歩いていても、それが感じられない。人が普段、目にするのは1階で、魅力的なまちは1階が活気にあふれています。人との関わりは、人口の絶対数よりも、まちで目にした人の数がどれだけ多いかで決まる。グランドレベル(地面)に人がいないと、まちは死んでしまう。喫茶ランドリーは、私たちが目指している1階づくりのモデルルームです」
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