2018年6月号
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MPDの本棚

未来の鍵は地域にある/『地元経済を創りなおす』他注目の三冊

月刊事業構想 編集部

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ーーー副題の「分析・診断・対策」に込められた執筆動機は何でしょうか。

これまで内外の著述や政府有識者として環境問題に取り組むなかで、地域が鍵だと実感を強めるようになりました。今や日本は人口3万人以下の自治体が国土の48%を占め、いわば総人口の8%が国土の半分を守っている状況です。地域に根ざして幸せな地域社会が作れるよう改善していかないと、持続可能な社会はできないと思うのです。ワクワクする個別事例が持つ豊かなヒントを、自らの地域に活かすためのガイドラインを作りたいと思いました。

ーーーループ図を用いた循環の説明や数値・指標の提示が説得的です。

企業であれ、地域住民であれ、行政であれ、得てして自分が関わっている地点からしか物事が見えないものです。すると利害が一致しなかったり、見解の違いが頻繁に生じたりしますので、全体像を予めお互いに確認することは重要だと思います。目に付いた問題から遂行課題として直ちに取り組むのではなく、全体を見たうえで優先順位や効果の大きい点から取り組むべきでしょう。「漏れバケツ」の比喩や、お示しした数値や指標は、あらゆる事業や構想の大前提だと思っています。

ーーー多様な連携を促すうえでは、数値だけでなくビジョンも重要ですね。

共有ビジョンとはリーダーが創って皆に手渡すのでなく、互いの思いを重ね合わせて創り上げてこそ行動につながります。但し実行手段となると首都圏からの資金調達に依存しがちでした。正確な現状認識の共有で、調達資金の内部循環を効果的に促す仕組みが可能だと思います。。

ーーー「未来は地域にしかない」に込めた思いをお聞かせください。

政策は具体的なフィールドと結びついてこそ実効性を持ちます。俯瞰する立場でも「地元」を持ち地域に分け入ることで、効果的な進め方や強みの活かし方が見えてきます。

地域の課題は過ぎ行く時間との競争です。今後も相互に刺激とサポートになる実践をお手伝いしつつ、例えば環境省によるRESASデータ提供など、有用な課題発見ツールの紹介にも努めていきたいと思います。

地元経済を創りなおす

――分析・診断・対策

  1. 枝廣 淳子(著)
  2. 岩波書店
    2018年2月発行
  3. 本体780円+税

 

 

枝廣 淳子(えだひろ・じゅんこ)
大学院大学至善館 教授、幸せ経済社会研究所 所長

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