『まんが スポーツで地域活性化』完成お披露目会

日本生命・筒井社長とスズキ・鈴木社長から冊子の贈呈を受けるスポーツ庁・鈴木長官

スポーツは優劣を競うばかりではない。チームワークを通じて社会性を学び、生涯にわたって健康な暮らしを促進し、時にはコミュニティの育成・交流にもつながる。こうした「スポーツによる地域活性化」は、2015年10月の発足以来スポーツ庁が掲げてきたミッションの一つである。

『まんが スポーツで地域活性化』事例集(全12巻)は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年以降も、スポーツによる地域活性化を担う(支える)人材が輩出されるよう、実際に取り組まれた地域活性化の事例を全国の中学生・高校生等に広く知ってもらうために企画されたものだ。

まんがの作者にはプロのまんが家ではなく学生(一部卒業生を含む)を登用した。事例の近隣に所在する専門学校等に声をかけ、まんが制作を専攻している学生たちに自ら現地に取材に行ってもらい、プロット(ストーリーの骨格)を作成してもらった。

この事業の実現には日本生命保険相互会社とスズキ株式会社の両社が多大な支援・協力を行った。でき上がった事例集は、両社が寄贈者となって全国の中学校、高等学校、特別支援学校、短期大学、大学、専修学校、各種学校等約2万校の学校図書館に寄贈された。図書館に寄贈することにより、1冊も捨てられることなく、かつ長期にわたって繰り返し読まれる仕組みとなっている。

本事例集は、ISBN(国際標準図書番号)コードを付けて販売もされている。描き手の学生たちにとってはもちろん初めての経験である。発行元となった大日本印刷株式会社は、グループ書店(丸善、ジュンク堂、文教堂)も巻き込んで、官庁の刊行物としては過去に例のない規模で販促活動を実施することとしている。

関係者すべてがWIN-WINとなることを目指した本事例集の取り組みは、今後、他府省や自治体においても大いに参考になる枠組みとして注目される。

まんがを描いた学生の皆さん