「なりたい声」を手に入れる技術 正しい努力でプレゼンを変える
「声」の良し悪しは、生まれつきの資質によるものではなく、発声法やイメージの持ち方でコントロールし、変えることができる。「話す声」の専門家が、プレゼンのための発声の技術、効果的なトレーニング法を解説。
前回、基本的な発声法として、ミドルヴォイス(中音)、ヘッドヴォイス(高音)、チェストヴォイス(低音)の3つを紹介しました。
プレゼンを一本調子の声で行ってしまうと、聞き手は飽きてしまいます。プレゼンの最中でも、人の気持ちは段階を踏んで変わります。それに合わせて声にメリハリをつける必要があり、そのベースとなるのが、上記の3つの発声法なのです。

白石謙二(青山ヴォイス・メイクアップアカデミー 代表、パワフルヴォイス 代表取締役)
知性は語尾に表れる
プレゼンの冒頭では、聞き手の注意を引き付ける意味でも、張りのあるミドルヴォイスであいさつします。次に、やわらかい声で雑談や余談を挟みます。そうすることで、聞き手はリラックスし、その後の話を受け入れてもらいやすくなり、聞き手との一体感も生まれます。
そして本題に入り、強く主張したい内容については、声をやや低くして、強調する言葉を、前後の言葉よりも強くゆっくりと話すようにします。
また、商品や企画のメリットを話すときは、やや高めの声で語尾のキレをよくし、逆にデメリットを話すときは、トーンを落としてゆっくりめにして、こちらも語尾ははっきりと話します。
知性は、語尾に表れます。語尾があいまいだと、自信が無さそうに見えたり、だらしない印象になります。プレゼンにおいても、終わりの言葉まではっきりと発音し、「~しますっ」と、最後に「っ」が入るくらいキレよく発声すれば、それが聞き手には自信となって伝わるのです。
ウォーミングアップが不可欠
笑顔で話すと声がやわらかくなるように、やわらかい声は、やわらかい表情から生まれます。プレゼンの前には、表情や身体をほぐし、リラックスさせることが大切です。
発声はスポーツと同じく、身体への意識、使い方がカギを握ります。スポーツの前に準備運動をするのと一緒で、大切なプレゼンの前にも、きちんとしたウォーミングアップが不可欠です。
顔のウォーミングアップは、次の方法で行います。
- ・表情筋のウォーミングアップ
- 1 顔の中心の鼻に向かって、目や口などの顔のパーツを集めるようなイメージでギュッと小さく寄せる。
- 2 寄せたパーツを外に広げるようにして、目と口をパッと大きく開ける。
- ※1と2を数回繰り返す。
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