農業・変革への挑戦 新潟市ニューフードバレー構想
全国に20ある政令指定都市のうちの11市から毎回、東京事務所長らをゲストに招く講義「地方都市の事業構想」。新潟市のテーマは、「新潟市ニューフードバレー・国家戦略特区の活用について」であった。
新潟市は、昨年5月に農業分野で国家戦略特区の第一次指定で選ばれている。農業分野で指定されたのは、中山間地農業の兵庫県養父市と、大規模農業の改革拠点としての新潟市の2か所だけである。2011年から新潟市では、ニューフードバレー構想を掲げて、食産業全体の成長発展を目指している。
トップクラスの農業力
新潟市は全国の市町村でもトップクラスの農業力を誇る。水田耕地面積や米の産出額は全国市町村で1位。食品メーカーも多く立地していて、「柿の種」や「ハッピーターン」の亀田製菓、「サトウのごはん」の佐藤食品工業も新潟市の企業である。
「2011年度から新潟ニューフードバレー構想を掲げて、農業を含めた食産業全体が連携して、発展する仕組みづくりに取り組んでいます。たとえば、一昨年にオープンした農業活性化研究センターでは、生産、加工、販売を一体的に支援するために毎月セミナーを開催し、6次産業化に関する個別の相談に応じています。また、隣のアグリパークでは、食品加工技術や新商品のテストマーケティングなどを支援しています。食品をペーストしたり加工する設備があり、農家が実際に試作品を作ってテスト販売することもできます。また日本海側最大の食の国際見本市(フードメッセ)も毎年秋に開催しています」と、新潟市経済部ニューフードバレー推進課の松尾大介課長。コメの加工品といえば、日本酒もその一つで、新潟は一大産地である。
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