2015年7月号
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IoT 先駆者の構想

扉の開閉データも新ビジネスの種に? 最先端のIoT住宅を訪問

高田巌氏(LIXIL R&D本部 新事業研究センター 情報社会研究グループリーダー)

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人、モノ、住宅がネットワークに繋がることが当たり前になった未来、どのような暮らし方が「普通」になっているのだろうか。最先端のIoT技術を取り入れた、LIXILの実験住宅を訪ねた。

200個のセンサーを搭載

建材・住宅設備機器で国内トップメーカーのLIXILは、住宅のあらゆる設備・建材・生活家電がネットワーク化するIoT時代の到来を見据え、IoT実験住宅(スマートハウス)「U2-Home(ユースクエアホーム)」を整備している。

千葉県野田市の閑静な住宅街にある、築18年の住宅を改装したU2-Homeは、外観は何の変哲もない住宅だ。しかし、その中身は最新のセンサーとネットワークのかたまりである。外壁や窓、天井、ドア、水栓、収納などには合計200個以上のセンサーを搭載。部屋ごとの人の動きや設備の使用状況、温湿度、明るさ、風向風速などあらゆるデータを収集している。これにより住環境全体を情報化し、少し未来のホームオートメーション技術や生活サービスを検証する。

LIXILのIoT技術実験住宅「「U2-Home」。外観は普通の家にしか見えない

技術優先の危険性

U2-Homeとは、ユビキタス(いつでも、どこでも、なんでも)とユニバーサル(誰でも)を掛けあわせた造語であるが、この「ユニバーサル」こそ、スマートハウス開発のポイントだと責任者の高田巌氏(LIXIL R&D本部新事業研究センター情報社会研究グループリーダー)は言う。

高田巌氏 LIXIL R&D本部 新事業研究センター 情報社会研究グループリーダー

「IoT社会は技術の進化が創りだすものですが、あまりに技術を優先しすぎると、生活者にとってはむしろ不便になってしまうこともあると思います。例えば、ジェスチャーによる家電や照明の操作は、確かに未来的な技術ですが、子どもや高齢者の立場でも使いこなすことができるのでしょうか」

スマートハウスの実証は大手電機メーカーなども行っているが、その多くは自社の先端技術のショーケースになっている。LIXILは住空間に関わる企業として、「完全にネットワークで自動化するのではなく、あくまでも生活者を中心に考え、生活者に判断を委ねる仕組みを目指しています」という。

例えば、U2-Homeではトイレの照明がつけっぱなしの場合、音声などで生活者に通知している。「視察に来た外国の方から、『自動で消せばいいのに』という意見がありました。確かにそれは簡単な技術です。しかし、日本人女性からは『子どもの躾のためには自動化しすぎると逆効果』という意見が多いのです」

LIXILはスマートハウスの未来像を幅広く共有するために、企業や規格団体に技術・製品の実証フィールドとしてU2-Homeを提供している。2014年5月からは企業や研究者への公開を始め、この1年間で国内外から606人の視察があった。U2-Homeは各界の専門家が集まり意見を交わす共創の場でもあるのだ。

外壁や窓、天井、ドア、水栓、収納などに合計200個以上のセンサーを搭載。生活環境をすべてデータ化する。センサーは将来的に建材内蔵になると考えられる

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