2015年7月号
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共創する人的ネットワーク

先端的な研究と自由な発想から 科学技術と経営を俯瞰的に見る

忽那 憲治(神戸大学大学院経営学研究科 教授)

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「科学技術」と「経営」の両者を俯瞰的に見る力をつけることはイノベーションを自ら創出できる力につながる。そのための教育の場には、イノベーティブな人材が集まり、新たなパートナーと出会うきっかけにもなる。

事業化が実現できるイノベーション人材とは

近年低迷するわが国の国際競争力を高めるためには、イノベーションを創出していく必要があり、国の提言等においても「日本を世界で最もイノベーションに適した国に創り上げる」としている。また、産業界からも、先端的な基礎研究や自由な発想を事業化に結び付け、イノベーションを自ら創出できる力を持った文理融合人材が求められている。しかし、そのような人材は極めて少数で、結果としてわが国の大学における科学技術研究の成果の多くは研究室レベルにとどまっている。その先の段階である事業化までは至らず、成果が社会からは見えづらい状況にある。

この課題の解決のために、先端科学技術に関する教育研究を行う理系(自然科学系)と、アントレプレナーシップに関する教育研究を行う社会科学系が、学問の枠を超えた新たな文理融合型の教育研究システムを構築する必要がある。学際領域における先端科学技術の研究開発能力とその学術的成果をベースに、知的財産化、生産技術の確立、市場開拓までの事業化プロセスをデザインできる、アントレプレナーシップを兼ね備えた文理融合人材を養成することが今まさに求められている。技術と経営の両者を俯瞰できる人材の育成を通じて、はじめてイノベーション(とりわけ破壊的イノベーション)の創出が可能となるからである。

そもそもなぜアントレプレナーシップ、とりわけ科学技術アントレプレナーシップを活発化させることが必要なのか。それは、規模の大小、新旧にかかわらず、科学技術アントレプレナーシップを活性化できる企業がイノベーションを主導し持続的に成長し続けることが可能になるからである。それが雇用の創出、地域経済の活性化を実現し、地域創生、ひいては経済成長を通じた国際競争力の回復に多大な貢献を果たす。実際、日本の国際競争力の低下要因がアントレプレナーシップの欠如によることは海外からも指摘されているところである。

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