「事後対応」から「課題抑制」へ データ活用で行政が変わる

データの利活用は自治体行政をいかに変えるのか。千葉市は、データを積極的に活用することにより行政サービスを「事後対応」から「課題抑制」に変え、歳出削減とサービス向上の一石二鳥を狙う。

事後対応から課題抑制へ

千葉市が推進するビッグデータを活用した官民協働型の新戦略「課題抑制型事業」。この耳新しい取り組みが今、全国から注目を集めている。三菱総研出身で、千葉市IT行政の実質的な責任者である総務局次長(CIO補佐監)の三木浩平氏はこう解説する。

三木浩平(千葉市総務局次長、CIO補佐監)

「これまでの地方自治体は、市民が申請書を出してから手続きがスタートする申請主義でした。病気にしても、介護にしても、その状態になった後に行政に申請し、行政が制度適応の可否を判断してサービスが提供される。これを今後、千葉市が所有するビッグデータを使って課題が発生する前に抑止する方向に変えていきます。そのためには、健康診断結果や様々な制度における給付状況、施設の利用情報など市の情報システムに蓄積されているデータを活用することが肝心です」

市民が困った状態に陥った後に申請を受けて何かサポートしようとすると、結果的に行政側のコストも高くつく。財政面から考えても、データ分析による課題抑制が重要だ。

例えば、健康診断の結果から生活習慣病の予備軍を抽出し、リスクが高まっている人たちに対して健康問題が発生しないように事前に対策を打つという方法(予防)が考えられる。このほか、就業支援や道路など公共インフラの修繕等にもデータを活用できると見ている。また、対策を打つだけでなく、その後の状況をモニタリングすることにより、費用対効果などプログラムの向上につながるという。

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