2013年12月号
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営業の真髄

あらゆる責任を担う、プロデューサー

神保智一(桜美林大学 特任教授)

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あらゆる産業や企業の課題に取り組む広告会社の営業は、幅広い経験を得る。アドマンとして国内外数々のプロジェクトを動かしてきた筆者の信念は、生涯営業。プロデューサー営業の真髄に学ぶ。

広告会社100倍成長時代

御殿場の研修所でプレゼンテーションの打合せ。プレゼンのリーダーを任される(写真中央が神保氏)

 博報堂という広告会社に入って43年間働いた。顧みれば長い年月の様な気もするしアッと言う間であったという感じでもある。

 大学の4年生の春、そろそろ就職のことを考えなければいけない時期に至って、さて、何になろうかと改めて考えてみた。それまでは専ら新聞記者志望で一流の新聞社に入り10年も勤めてそのうち何かの賞を受賞し、作家にでもなれればと気軽に考えていた。

一応、その準備もしてはいた。

 大学には「ジャーナリストテスト」というのがあって、毎月一度催される。

私も折々それを受験し、一応の得点を得ていた。しかしそのような尺度は単なる目安にしか過ぎない。そこで現実に戻っていろいろ考え始めた。

 思えば新聞社の試験は当時すこぶる遅い。私の目指す会社は12月の試験であった。落ちれば後がない。さりとて貧乏学生の私には留年するような余裕はもとよりない。さてどうするか迷いが出てきた。

 そんな折、他の職業を考えるキッカケがあった。広告業である。その頃、坂本藤良という経営学者がいて慶応かどこかで講義をしておられた。「経営学入門」というベストセラーもあった。

その坂本先生の著作の中に「これからは広告会社の時代である」といった意味合いのことが書かれていた。「なるほど広告か」、初めてそのジャンルに興味を覚えた。

 調べてみると電通、博報堂という二大広告会社があることがわかった。電通は中興の祖である吉田秀雄さんの「鬼十則」で名高い。鬼十則はアドマンの心掛けるべき鉄則で大いに共鳴するところがあるがもう少しリベラルな匂いが欲しい。一方、博報堂はややひ弱な感じがするがアメリカで広告を学んできた瀬木博親という御曹司が期待を担っている。私は新しい広告会社を目指す若き経営者に興味を覚えた。

 7月に博報堂を受験した。ペーパーテストは常識問題と英語。なぜか英語の分量が多かったような記憶がある。

その後、面接が二度。二度目の面接で愛読書を聞かれた。「中河与一の『天の夕顔』です」と答えた。面接官はかなり年配の人で「ホー、天の夕顔か」としばらく私の顔を見ていた。その表情には明らかに好意が現れている。

 後でわかったのであるが、この面接官は当時常務であった岡田さん(後、副社長)でどうやら愛読書が同じであったらしい。それが原因で面接を通ったわけではないが世の中には本人が気付かないラッキーというのがある。

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